統一部・外交部・国防部・国家報勲処が昨日、大統領に新年の業務報告をした。４部処ともに統一の準備に合わせた提案と構想を出した。昨年、朴槿恵（パク・クネ）大統領が国政課題として提示した統一基盤構築の後続作業の性格が濃厚だ。統一部は「光復（解放）７０周年南北共同記念委員会」を構成し、文化・芸術・宗教など分野の共同記念行事を推進し、ソウル－新義州（シンウィジュ）、ソウル－羅津（ナジン）間の韓半島（朝鮮半島）縦断列車の試験運行も北朝鮮に提案すると明らかにした。同時に南北文化交流の拠点となる南北民族文化院をソウルと平壌（ピョンヤン）に同時に開設する案も推進すると述べた。内部的には平和統一基盤構築法を制定するという。統一準備人材を養成し、部処別の担当官を指定するという内容もある。

しかし統一部の報告からは、当面の課題である南北関係をどう打開して新しい局面を開くのかに関する創意的な構想は見られなかった。さらに百貨店式に羅列し、一過性の事業が少なくなかった。大小の提案を結びつけたロードマップや青写真がない。統一の準備は統一に対する認識の拡散とともに、国民の手がとどく対北、統一外交戦略のビジョンが存在してこそ内部的に弾みがつく。

何よりも対北朝鮮提案や構想が現実性を帯びるには、南北対話から行われなければならない。しかし今回の報告では北朝鮮を対話テーブルに座らせる妙策は出せなかった。低い段階の交流・事業で北朝鮮との対話の窓を開き、２０１０年の韓国哨戒艦「天安」爆沈事件後から断絶した南北関係、不完全な平和の流れを変えられるのか疑問だ。


対話再開のためには５・２４対北朝鮮措置の解除や緩和、金剛山（クムガンサン）観光の再開を含む包括的な案が必要だ。北朝鮮の米国ハッキングと米国の対北朝鮮制裁で朝米関係が悪化しているが、南北関係の改善は別に推進されなければいけない。本格的な南北交流協力事業ほどの統一基盤構築作業もない。光復７０年、分断７０年の分水嶺にふさわしい発想の転換が必要だ。

外交部は南北関係と非核化問題の好循環構造を作ると明らかにした。しかしこれも南北対話が実現してこそ可能なことだ。北核問題解決のための６カ国協議プロセスもまだ再稼働していない。外交部は６カ国協議再開のための主導的な努力をするというが、北朝鮮非核化の緻密な枠は見えない。当為論は戦略でも政策でもない。北朝鮮の核に対する段階的、長期的解決の枠を土台にしたよりいっそうの努力が必要だ。外交部は全方向的な統一外交を通じて、統一に友好的な環境も形成すると明らかにした。しかし隣国の日本とはまだ関係改善のきっかけを見いだせずにいる。今年は南北関係や統一基盤構築作業で新しい道を準備する絶好の機会だ。構想を現実にする、より積極的で創意的な接近が求められる。