朴槿恵(パク・クネ)大統領の新年記者会見は1年ぶりに開かれた会見だった。いつのまにかこの国は大統領が会見を1年に1回だけするおかしな国になってしまった。とにかく1年ぶりに開かれたのなら緊張感があって当然だった。問題は山積していたし、圧力は爆発直前だったからだ。このような状況なら、大統領がメディアの矢を防ぐのに冷や汗を流さなければならなかった。
ところが緊張どころか、笑いがあふれた。大統領はにこにこ笑いながら、自分に有利な運動場を思う存分走った。半面、自分に不利な谷はふわりと跳び越えた。一言でメディアの完敗だ。これは会見方式が誤ったうえ、メディアの刃が鈍かったからだ。
会見がきちんと行われるには、メディアは権力を問い詰めなければならない。「どう思うか」ではなく、「なぜそうしたのか」と尋ねなければならない。ところがその日の質問はそうでなかった。記者は決められた順にテーマを提示し、大統領の考えを尋ねた。大統領の考えを聞くだけなら、国政演説と変わらない。テーマを投じるのは司会者がするべきことであり、メディアの役割ではない。この日、記者は司会者のようだった。
最も大きな問題は、するべき質問が抜け、後続の質問もないという点だ。「天下り人事」は言及さえされなかった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)とセヌリ党からの天下り人事が公共部門を揺さぶる現実だ。なら、このような質問があるべきではなかったのか。「選挙を助けたという理由で大統領は78歳の在米同胞出身コメディアンを主要公企業の監査に任命した。これが公企業改革なのか」。
会見に後続の質問がないのはさらに深刻な問題だ。記者は明確に大統領の弟・朴志晩(パク・ジマン)会長が文書スキャンダルに関与したことを尋ねた。ところが大統領はうやむやにして終えた。朴大統領の口から「朴志晩」という名前は出てこなかった。なら記者が後続の質問で問い詰めなければならなかった。地域の問題も同じだ。湖南(ホナム、全羅道)地方紙の記者が「地域偏重人事」を取り上げた。朴槿恵政権は歴代のどの政権にも劣らず人事の偏りを見せている。首相と大統領秘書室長・検察総長・監査院長は慶南、国会議長・大法院長・憲法裁判所長と与党代表は釜山、経済副首相と国税庁長は慶北だ。政権首脳部すべてが嶺南(ヨンナム、慶尚道)だ。
【中央時評】朴大統領に引きずられるメディア(2)
ところが緊張どころか、笑いがあふれた。大統領はにこにこ笑いながら、自分に有利な運動場を思う存分走った。半面、自分に不利な谷はふわりと跳び越えた。一言でメディアの完敗だ。これは会見方式が誤ったうえ、メディアの刃が鈍かったからだ。
会見がきちんと行われるには、メディアは権力を問い詰めなければならない。「どう思うか」ではなく、「なぜそうしたのか」と尋ねなければならない。ところがその日の質問はそうでなかった。記者は決められた順にテーマを提示し、大統領の考えを尋ねた。大統領の考えを聞くだけなら、国政演説と変わらない。テーマを投じるのは司会者がするべきことであり、メディアの役割ではない。この日、記者は司会者のようだった。
最も大きな問題は、するべき質問が抜け、後続の質問もないという点だ。「天下り人事」は言及さえされなかった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)とセヌリ党からの天下り人事が公共部門を揺さぶる現実だ。なら、このような質問があるべきではなかったのか。「選挙を助けたという理由で大統領は78歳の在米同胞出身コメディアンを主要公企業の監査に任命した。これが公企業改革なのか」。
会見に後続の質問がないのはさらに深刻な問題だ。記者は明確に大統領の弟・朴志晩(パク・ジマン)会長が文書スキャンダルに関与したことを尋ねた。ところが大統領はうやむやにして終えた。朴大統領の口から「朴志晩」という名前は出てこなかった。なら記者が後続の質問で問い詰めなければならなかった。地域の問題も同じだ。湖南(ホナム、全羅道)地方紙の記者が「地域偏重人事」を取り上げた。朴槿恵政権は歴代のどの政権にも劣らず人事の偏りを見せている。首相と大統領秘書室長・検察総長・監査院長は慶南、国会議長・大法院長・憲法裁判所長と与党代表は釜山、経済副首相と国税庁長は慶北だ。政権首脳部すべてが嶺南(ヨンナム、慶尚道)だ。
【中央時評】朴大統領に引きずられるメディア(2)
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