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【コラム】韓国にはなぜ尊敬されるお金持ちがいないのか(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
米国に「きれいな人」が多いのは、米国社会の土台になった清教徒精神の影響も明らかにある。だが、それより重要なのは教育の力だ。特に、分かち合いの精神をDNAに刻む「食卓の向こう側教育」の力だ。ホームレスでフォーブス世界100大長者番付の隊列に上ったことで有名なジョン・ポール・ミッチェル・システムズの最高経営者ジョン・ポール・デジョリア会長も2012年、「ザ・キビング・プレッジ」の会員になった。貧しい移民者だった彼の母親はデジョリア兄弟に「お前たちがいくら持とうが、お前たちよりも貧しい人々がいることを一生忘れるな」と教えたという。有名なロックフェラー一族は5代に渡る寄付を受け継いでいる。

韓国の私たちはどうなのか。いとこが土地を買うだけでも腹が痛くなる韓国社会が、他人の成功に評価が渋いのも事実だ。だが世界的に醜聞が出回ろうとも「大切な私の子」さえうまくいけば、それだけの現実で、尊敬されるお金持ちを作る教育は期待し難い。

この前「ナッツリターン」航空会社の操縦士が社内掲示板に掲載した文は、オーナー一家の教育がどうだったのか推し量ることができる。22年前に小学生だった末娘が兄と米国から帰国する飛行機に乗ったが、操縦室を見物させてくれと言って入ってきてはこのように話したという。「兄さん、よく見ておいて。これからは兄さんの会社になるのだから」。オーナー(この言葉自体も間違いだが)一家が一定の株だけを持って株式会社の代を引き継ぎ譲る個人所有物と考えているのは、一体この会社だけだろうか。


「ザ・キビング・プレッジ」の会員になった企業家は誓約書に参加理由を書くが、概して「特権」や「責任」「還元」「未来世代」「変化」に要約されるという。要するに「自分たちが特権を享受した責任として社会還元をするものであり、それが未来世代のための変化を導けると信じる」ということだ。

恐竜になった韓国の経済圏力が一日でこうした考えを持つようになるのは期待しがたい。社会還元はさておき社会的責任だけでも果たせるよう彼らを変えられるのは、可愛いくても憎くても政治だけだ。だが容易に経済圏力と結託するのがまた政治権力だ。それを防いで経済圏力を牽制できる政治家を選ぶこと、それが有権者の義務だ。

イ・フンボン中央日報国際部長(中央SUNDAY第407号)



【コラム】韓国にはなぜ尊敬されるお金持ちがいないのか(1)

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