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【取材日記】ソウル市響から改革のまな板にのせるべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イラスト=キム・フェリョン

2014年のソウル市響は憂鬱だ。年初にソウル市が明らかにした経営評価で支援機関中の最下位を記録した。8日には人事考課なしで昇進人事が行われていた事実が暴露された。その次は「ボス」たちのニュースが相次いだ。指揮者である鄭明勲(チョン・ミョンフン)芸術監督が海外活動のために市響の日程をいくつかキャンセルしたり変更したりしていたという事実が行政監査で明らかになった。弱り目にたたり目で、朴ヒョン貞(パク・ヒョンジョン)代表の暴言・セクハラ議論まで浮上した。

ニュースはここで終わらず、しつこく続いている。朴代表は自身の行為を正当化するために「鄭明勲背後論」を持ち出した。経営者である自身がソウル市響を立て直そうとすると鄭監督が市響を私的組織のように運営して自身を攻撃しているという主張だった。すると鄭監督は「話にもならないインタビューで、おかしな話が出ている」と反論した。

2人のボスの舌戦には、ソウル市響の現状がそのまま含まれている。市響の今年の予算は173億ウォン(約18億6000万円)。このうち108億ウォンをソウル市が支援している。市民の税金から予算の62%を充てているのだ。そんな市響の人事システムはめちゃくちゃで、経営成果は最低だった。朴代表が2013年2月から市響を引き受けただけに昨年の成果に対する朴代表の責任は小さくない。組織運営の評価は朴代表の暴言論争に代わるようなものだ。


鄭監督はどうだろうか。2005年から彼が受けとった給与は141億ウォンを超える。世界的な指揮者であり国宝級の芸術家という面で理解することもできる。米国LAタイムズやブルームバーグによれば同じ指揮者のグスターボ・ドゥダメル(LAフィルハーモニック)が143万ドル(15億7800万ウォン、2011年)、アラン・ギルバート(ニューヨークフィルハーモニック)が75万ドル(8億2700万ウォン、2009年)の年俸を受けとっている。

問題は「透明だったかどうか」と「最善を尽くしたのかどうか」だ。ニューヨークフィルの場合、年次別の報告書を出す時は1ドル単位まで予算内訳を公開する。そこには指揮者の勤務時間も記録される。当然、指揮者の勤怠も評価対象だ。

9月にウィーン国立オペラ団が鄭監督に指揮を要請するとすぐに彼は市響の日程をかなり調整した。すでに4月に日程が確定して700席もチケットが売れた統営(トンヨン)音楽会の日程変更は大きな議論を生んだ。2011年の補欠選挙で勝利した朴元淳(パク・ウォンスン)市長は鄭監督と再契約した。その時、鄭監督は「ポスト鄭明勲」を育成すると約束した。鄭監督は朴代表との対立がふくらむと指揮者から退くと明らかにしている。では彼の後に続く後継者は果たして育てられているのだろうか。

朴市長はソウル市の行政と支援機関、そして公企業に対する革新案を相次いで発表している。10日には放漫な地下鉄を大手術する統合案を出した。だが、市響のほうがさらに急務なようだ。

カン・ギホン社会部門記者



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