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【コラム】選挙キャンプの危機繰り返す国政の危機=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領の周辺で「十常侍」という言葉を初めて聞いたのは、大統領選挙戦が熱くなっていた2012年の夏頃だった。当時、朴槿恵大統領候補の現場活動を取材した記者の間では、「朴候補の補佐陣4人は四天王、四天王にキャンプ実務陣を合わせた10人は十常侍」という笑い話が飛び交っていた。その話を初めて聞いた時、ただふふっと笑っていたのを思い出す。朴候補の手足も同然の補佐陣4人を四天王と遠回しに言ったのはさておき、十常侍という表現は、10人の数合わせをした一種の冗談だったからだ。実際に十常侍として議論されている面々を見れば、当時記者たちとの接触が頻繁だった人々が中心で、水面下で活躍していた“実力者“は1人もいなかった。誰が十常侍に該当するのかについても人によって違っていた。笑いを取るために作った話だったから正確に10人を問い詰めること自体が無意味だったのかもしれない。

十常侍というのは、中国の後漢末の霊帝の時に専権を日常的に振るっていた宦官10人を指す単語だ。朴槿恵キャンプの周辺でなぜこんな冷笑的な言葉が出回ったのだろうか。推察するに朴候補にすべての権限が傾いていたキャンプの権力構造に対する風刺ではなかっただろうか。当時、野党圏が文在寅(ムン・ジェイン)-安哲秀(アン・チョルス)候補の単一化に成功すれば朴候補が敗北するという観測が広まっている時で、セヌリ党では危機論が高まっていた。だが朴槿恵キャンプは候補者がいちいち決定を下さなければ何もできない意志決定の動脈硬化が深刻な状況だった。そうしていたらキャンプの職責を引き受けた議員よりも、候補の意中を伝える補佐陣の影響力がより大きく見える「錯視現象」が生まれ、十常侍という言葉もこの過程から出たものと推定される。

最近、青瓦台(チョンワデ、大統領府)公職紀綱秘書官室が作った「チョン・ユンフェ動向文書」がメディアに公開されながら突然、実体もなかった十常侍が秘線(隠れた)実力者議論の真ん中に立たされることになった。初めはキャンプ周辺で冗談のように広く知られていた言葉が、回り回って今は巨大な地下権力の象徴に増幅された。ネーミング(naming)の恐ろしさを改めて悟る。


実際に十常侍メンバーとチョン・ユンフェ氏の間に秘密の会合があったかどうかは近く判明するだろう。青瓦台が本当に悩まなければならないのは、2年前に十常侍という言葉を生んだキャンプの問題点が、今でも国政運営でそっくり繰り返されているという点だ。今でも党・政治・青瓦台は大統領の口を眺めているだけで能動的に動かない。青瓦台首席秘書官会議や閣僚会議が「双方向の疎通はなく、大統領の対国民記者会見になった」(セヌリ党刷新議員会)という評価まで出てくる。人事の背景をまともに説明できる人がいないと「候補者=大統領」周辺に、とんでもないデマが広がる。

2年前、朴槿恵キャンプは候補者の最側近である崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)秘書室長が退いて親李系〔李明博(イ・ミョンバク)派〕に近かった金武星(キム・ムソン)元議員を総括選対本部長として迎え入れ、雰囲気の刷新に成功した。振り返ってみれば朴大統領は、主な曲がり角ごとに、そんな新しい姿を見せながら成功したケースが多かった。今がその時だ。

キム・ジョンハ政治国際部門次長



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