朴槿恵（パク・クネ）政権スタートから２年たらずの現在、韓豪自由貿易協定（ＦＴＡ）をはじめ韓国・カナダ、韓中、韓国・ニュージーランドまで４件のＦＴＡが締結された。韓豪、韓国・カナダのＦＴＡは２日、国会で批准された。すでに米国・ＥＵなどともＦＴＡを締結している韓国は、環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）への参加も天秤にかけている。「ＦＴＡルネサンス」というに値する。

セヌリ党の金鐘勲（キム・ジョンフン）議員は通商交渉本部長をつとめていた時、「剣闘士」というニックネームを得ながらＦＴＡ交渉の最前線に立った人物だ。ＦＴＡの現状と関してキム議員は３日、「日本・メキシコ・ブラジル・ロシアなどを除いて通商で重要な関係を結んでいる多くの国とＦＴＡを結んだ」として「通商ネットワークが完成段階に至っている」と評価した。注目される韓中ＦＴＡについては「開放の程度は低いが、中国を機会や危機として見る視角が混在している状況で、現実的な妥協」と話した。

－－韓中ＦＴＡは多少性急に締結したという印象がある。


「１０年が過ぎても韓国の輸出品目の６５％だけ関税がなくなる。２０年後にも８５％程度という低強度のＦＴＡだ。特に農産物分野で関税撤廃の例外品目を３０％台に設定するなど両国にとって致命的な利害の絡む部分はほとんど除いた。その気になればできる水準だったものだ。」

－－成果を出すために急いだのか。

「中国市場をめぐって韓国と争う米国・日本・欧州連合などはこの程度のＦＴＡもできなかった。中国がＦＴＡを結んだ国々も、ほとんど開発途上国だ。ほかよりもさらに有利な高地から攻略できる」

－－韓中ＦＴＡの時は、韓米ＦＴＡ締結当時のような政治的議論は少なかった。

「中国と違って米国は超強大国であり、韓国の歴史で特別な関係があって、国民が多様な形の意見を見せた。またＦＴＡについての国民の学習効果も少なくない。細やかに手をかけて付加価値を出して売らなければならない経済構造の中で、ＦＴＡがこれを促進するということに国民が共感しているようだ」

－－ＦＴＡ締結をこえた政府の役割が必要なはずだが。

「最近、中国の高級デパートに行くとソウル牛乳やヨンセ牛乳が４倍ほど高く売れた。持ちこんで置いておけばなくなるという説明だ。ところが中国政府が流通期限を非常に短くしておいた。生産後に中国に送り、販売するまで２週間以内ですべて終わらせなければならない。こうした非関税障壁を緩和するのが政府の役割だ」

－－次の順序は韓日中ＦＴＡになるのか。

「地理的にも非常に近く、技術の発達で距離感はどんどん狭まっている。時間がどれほどかかるか分からないが、結局は１つの巨大な市場になることだ。問題は日本だ。安倍政権スタート後、外交的な問題をたくさん引き起こしている。関係がゆがむと交易や投資が減る。日本が過去の歴史認識から転換点を作らない限り、こうしたことをみな棚上げにして『経済は経済』としてＦＴＡを結ぼうという主張は空虚だ」