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5兆ウォンの炭素繊維市場、韓国企業も事業推進本格化(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

炭素繊維の自転車

2011年3月、IT業界にひとつのうわさが出回った。アップルが米フィラデルフィアの自転車会社ケストレルの最高経営責任者(CEO)だったケビン・ケニーを迎え入れたというものだった。ケストレルは自転車業界では初めて1986年から炭素繊維で自転車フレームを作った会社だった。うわさは事実だった。アップルは彼に首席エンジニアというポストを用意した。しばらくしてアップルは世界の炭素繊維市場の半分以上を占めている日本で炭素繊維関連の求人広告を出した。アップルマニアは炭素繊維で作ったiPhone出現の可能性に歓呼した。翌年アップルは炭素繊維のiPhoneではないが炭素繊維で作った金型の特許取得を市場に知らせた。

◇炭素繊維作る中間財の技術は相当水準

炭素繊維が新市場に浮上している。重さは鉄の4分の1、強度は鉄の10倍に達し鉄に代わる“夢の素材”と呼ばれるのが炭素繊維だ。特に日本の東レが最近ボーイングと1兆円に達する炭素繊維供給契約を締結してからこの市場に対する関心も高まった。日本は航空機市場を先取りしたが韓国はどうだろうか。結論は「いまのところはやるだけの価値はある」だ。年間2000トンの炭素繊維を生産している暁星(ヒョソン)全州(チョンジュ)工場の工場長を務めるパン・ユンヒョク常務と蔚山(ウルサン)工場で1500トンを生産中である泰光(テグァン)産業新事業本部のイ・インス常務を通じ韓国企業の強みと弱点、機会と脅威要因を調べた。


パン常務は炭素繊維で釜山(プサン)大学で博士学位を取ったが炭素繊維プロジェクトはすでに消えてなくなっていた。90年代末まで暁星をはじめとする韓国企業は日本を追いかけ炭素繊維開発に参入した。だが、通貨危機を経て企業は将来が見えない炭素繊維開発から撤退しはじめた。博士課程まで勉強した“投資”は6年間光を見られなかった。タイヤ補強材を研究した彼にチームを作るよう指示が出たのは2007年だった。パン常務はあたふたと一緒に勉強した同僚を呼び集め始めた。4年間にわたり研究に没頭し2011年に暁星は初めて炭素繊維技術の開発に成功した。東レが70年代から炭素繊維開発に乗り出したのと比較すると実に40年余り後れを取った格好だ。暁星は炭素繊維を育成するために2020年までに1兆ウォンを投資するという目標を立てている。

2012年3月に初めての炭素繊維生産を知らせたのは泰光産業だった。繊維事業で成長した泰光産業は暁星よりやや早い2009年に技術開発を終え、年間1500トン規模の繊維生産に入った。イ常務は、「韓国企業は繊維事業に強く、炭素繊維市場でも競争力がある」と強調した。

通常炭素繊維は作る方法によりさまざまな種類に分かれる。最も多く使われる炭素繊維は石油化学製品であるプロピレンから抽出したアクリロニトリルで作られる。この原料を1000度以上の高温処理をして炭化させた後、中間素材であるプリプレグを作る。再びこの素材を型に入れ圧力と熱を加え原糸や構造物を作れるようになるが、これがわれわれが呼ぶ「炭素繊維」だ。イ常務は「炭素繊維を作るのに必要な技術はアクリル繊維生産技術なので泰光はすでに原料から中間財、最終原糸に至るすべての工程を構築した」と説明した。



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