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「孫正義が関心を向けている韓国スタートアップが数社ある」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ムン・ギュハク代表

「スタートアップから出発して買収合併(M&A)で大きくなる企業がもっと増えなければなりません。そうしてこそ若者が起業を継続できます」

代表的なベンチャー投資会社(VC)であるソフトバンクベンチャーズのムン・ギュハク代表(50)は落ち着いた表情でベンチャー業界の懸案をひとつひとつ突いた。ムン代表は韓国政府の創業支援は基礎研究のような目につきにくい分野に集中すべきだと強調した。「子供にお金から握らせてしまえば、子供をダメにすることにならないだろうか」という反問とともにだ。

ソフトバンクベンチャーズは孫正義会長が率いる日本ソフトバンクの韓国子会社だ。ムン代表は14年間、国内外のスタートアップ(起業初期企業)160社余りに4000億ウォン(約422億円)の資金を投資した。ゲーム企業NEXON(ネクソン)、「エニパン」開発会社サンデートーズなどがソフトバンクベンチャーズから初期投資を受けた。最近、ムン代表とソウル瑞草洞(ソチョドン)事務室で会った。


--韓国にも起業生態系が構築されたか。

「80年代後半、2000年代初期に続く3度目の起業ブームだ。2回の浮き沈みを体験した後に再びやってきた機会のためか、起業生態系はかなり安定したと感じる。しかし、自生力を持つには失敗と成功事例を累積する時間がもっと必要だ」

--政府の創業支援策が相次いで出ている。

「政府の支援は重要な動力になる。米国も政府が水面下で途方もない支援をしている。しかし、政府が最初から最後まですべての責任をとり成果を出そうとすれば“毒”になる。10年余り前、全国各地に設置されたベンチャー企業育成センターはすべて消えた。このことから教訓を得なければならない」

--韓国大企業はスタートアップM&Aに消極的だとの指摘が多い。

「フェイスブック・グーグル・アップルも開始初期は本当に小さなスタートアップだったという事実を思い出すべきだ。スタートアップが成長した後、再びスタートアップM&Aを通じて革新する生態系が健康な有り様だ。ところが韓国内ではM&Aに積極的なネクソンを『カネソン』と揶揄し、チケットモンスターのシン・ヒョンソン代表が米国企業にその持分を売却すると『食い逃げ』という言葉が出てくる。米国に上場したアリババを指して中国の人々は『食い逃げ』などとは言わない」

--最近、韓国内に事務室を構えるグローバルVCが多い。

「資本には国境がない。可能性の大きなところに集まる。ただ、それだけ手を引くことも容易だ。2000年代初期、ベンチャーバブルが消えるとグローバルVCが軒並み手を引いて起業生態系も崩壊した。無謀に投資しながらも、落ち着いて我慢強く待てるVCがもっと増えるべきだ」

--どんな起業家に投資するか。

「起業家の気質が挑戦しようとする市場とちゃんとマッチしているかを最も重点的に見る。年間300社以上の提案書を検討するが、これからは国境のないスタートアップが増えていくだろう。注目している韓国人青年がいるが、北京大学を卒業して北京で起業した。ところが法人はケイマン諸島にあって、主なベンチャー投資会社はカナダ国民年金資金に基盤を置く米国系VCだ。実力ある若者たちはこのような選択をもっとするだろう。彼らをどのようにして国内に引き込めるか考えなければならない」

--孫会長が最近、韓国起業家に「アイデアがあれば訪ねてきなさい」といったそうだが。

「先日、韓国スタートアップ代表10人を連れて孫正義会長に会った。その後、孫会長が関心を持って見守っているスタートアップが数社ある。孫会長は人を見る目が確かだ。孫会長はインドや中国のように市場が巨大か、起業家持つ技術とアイデアがどれくらい独創的なのかを見て投資する」



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