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【社説】どうして国連事務総長を揺さぶるのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国連事務総長は、自身が属する国や民族を超越して人類全体のために仕事をする人だ。彼が特定国家の政治的理解に関連すれば、総長職の遂行に障害が生まれる。自身の意志とは関係なく、行動の動機に誤解が生じる恐れがある。過去8年間、潘基文(パン・ギムン)総長はこの点について特に留意していたことで評価されている。2011年、彼の再任推薦決議案を提出した人はネルソン・メソネ安保理議長だった。メソネ議長は「潘総長は驚くべき客観性と独立性を維持している」と言及したことがある。独立性に疑問が提起されれば、潘総長は再任が難しかっただろう。潘総長が職務を成功的に遂行していることは、韓国人の次元を離れて全世界的に必要なことだ。

そうした点で最近、韓国政界で広がっている潘基文騒動は、思慮深さがなく憂慮されることだ。東橋洞(トンギョドン)系〔金大中(キム・デジュン)元大統領の旧来の側近ら〕の政治勢力の座長である権魯甲(クォン・ノガプ)新政治民主連合常任顧問は、潘総長の側近といえる人々が、新政治連合に潘総長を大統領候補として迎え入れてもらうことを打診したと最近明らかにした。本当に潘総長が側近を通じてこうしたことをしたとすれば、これは国際的なニュースであり、国連に影響を及ぼす事件だ。ところが潘総長はこれまで自身の「大統領選挙の関連性」について一言も言及したことがない。そして慎重で緻密な彼のスタイルでみると、こうした慎重でない行動をする可能性はほとんど1度もない。実際に潘総長側はメディア対応資料を通じて「潘総長は全く知らず、事実ではないという点を明確に表明する」と話した。

権顧問は側近が誰なのか、彼らがどの程度の側近なのか、彼らが本当に潘総長の意向を伝えたのか、何も説明しなかった。潘総長の政治的未来はもちろん、韓国政治と国連に重要な影響を与える問題に関して権顧問は、責任あるいかなる説明もしないのだ。主な職責を歴任した政界重鎮としては、無責任で軽率な行動だ。


先月末にはセヌリ党内の親朴議員の集まりである「国家競争力強化フォーラム」で開催したセミナーで、潘総長の2017年大統領選挙出馬の可能性が話題に上がった。潘総長についての言及を自制しようという意見が多かったが、大統領任期がまだ2年も過ぎていない状態で、次期大統領選挙に関するセミナーを開いたこと自体が性急な議論を触発させた。

潘総長は、韓国社会の有力な「指導者の資産」に間違いない。そんな彼が、次期大統領選挙に飛び込む可能性を排除する必要はない。だが、そうした可能性に対する政界の議論は「事務総長職の円満な遂行」という世界的な価値を傷つける方向であってはいけない。さらには特別な根拠もなしに特定政治勢力側に彼の腕を引っ張り込むのは、韓国政治の不誠実さと軽薄さを表わすものだ。ニューヨークを眺める騒動よりも、国内で議論される人物が真の指導者にふさわしい人に成長する努力が、さらに急務だ。



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