北朝鮮政権を批判する「ビラ」の散布をめぐる論争が増幅している。ビラ風船に対する北朝鮮軍の高射機関銃発砲（１０日、京畿道漣川地域）で触発した南北間の軍事衝突が、今度は韓国内の葛藤につながった。ついに先週末、臨津閣（イムジンガク）でビラ散布賛否勢力が衝突した。今回は、北朝鮮の高射機関銃発砲後に境界地域の住民が不安感を訴え、ビラを飛ばそうとする団体を積極的に阻止し始めたのが変わった点だ。

２５日、坡州臨津閣と統一展望台の一帯では一日中、保守団体会員とビラ散布に反対する住民・市民団体約４００人、警察７個中隊約７００人、国内外の取材陣が集まり、混乱した。対北ビラ散布国民連合などのビラ散布予告のため、民間人の統制線地域住民約１２０人が午前９時から農作業用トラクター２０台ほどで臨津閣への進入路を防いだ。「民主回復坡州時局会議」なども前日から臨津閣に野宿し、ビラ散布を阻止した

午前１１時２０分ごろ、臨津閣の周辺ではマスクとタオルで顔を隠した約１０人が、風船注入用ガスなどを載せて待機していた脱北者団体のトラックを急襲し、箱５つに入ったビラの一部と風船を奪ったりもした。彼らは準備した道具で風船を破った後、ビラを道端や川に捨てた。この過程で４０代の男１人が現場で警察に逮捕され、業務妨害および財物損壊容疑で調査を受けている。


２０分後、保守団体会員約３０人が乗った貸切りバスが臨津閣の２００メートルほど手前に到着すると、ビラ散布に反対する団体は卵を投げて激しく抗議した。対立した双方は午後６時ごろ解散した。しかし朴相学（パク・サンハク）自由北朝鮮運動連合代表などは午後７時２０分ごろ、金浦市月串面のある山からビラ２万枚を入れた風船を北朝鮮に飛ばした。



北、高官級協議提案の返答もせず…韓国国内でビラめぐり衝突（２）