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【コラム】経常成長率の回復が至急だ=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
世の中にはあまりにも恐ろしすぎて口にすることすら困難な言葉がある。その話を口にした瞬間、避けたかったまさにその不吉なことが起きるかも知れないという恐怖心を醸し出す言葉だ。経済にもそんな言葉がある。「デフレーション」がそれだ。よほどでなければデフレという言葉を直接取り上げす略字で単に「D」と表記する慣行までできただろうか。デフレが起きるかも知れないという不安感を「Dの恐怖」と表現する格好だ。

デフレは景気が停滞し物価も落ちる経済現象をいう。国際通貨基金(IMF)は、「2年ほど物価下落が続き景気が低迷する状態」と定義する。景気下降と物価下落が重なったからと何がそんなに恐ろしいのだろうかと思うが、デフレが本格化すれば経済全体が破局に突き進むことになるという点で政策当局者と経済主導者が怖じ気づくのに十分だ。

デフレが最も深刻な形で広がったのが1929年の米国の大恐慌だった。米国経済と世界経済を一瞬に奈落に落とした大恐慌の惨状は1970年代のオイルショックや1990年代の通貨危機、2000年代の金融危機による経済的打撃とは比較にならないものだった。大恐慌は供給過剰と有効需要不足に通貨供給不足が重なって起きた最悪のデフレだった。偶然にも最悪のデフレである恐慌(depression)もやはりアルファベットの「D」から始まるという点で「Dの恐怖」を増幅させるのに一役買ったようだ。


まさにその「Dの恐怖」がいま全世界に暗い影を落としている。域内国家の財政危機を克服できないところから始まったユーロ圏のデフレの兆しはいまでは他地域にまで広がる勢いだ。ユーロ圏の9月の消費者物価上昇率は0.3%でこの5年で最低水準に落ち、イタリアとスウェーデンは消費者物価がマイナスに下落し始めた。切羽詰まった欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は金利を過去最低水準に引き下げ銀行に低利資金供給を増やす対策を発表したがデフレの暗雲は晴れずにいる。

アベノミクスを掲げて大規模量的緩和に出た日本も4月の消費税引き上げ以降の景気不振とともに消費者物価上昇率が再び1%以下に下がる危機に陥った。その上に景気が回復傾向を見せた米国も世界の景気低迷の影響で回復の勢いが弱まり、8月からは消費者物価が前月より落ち始めた。世界の工場を自任し高度成長を謳歌した中国も成長の勢いが鈍化し、消費者物価上昇率が急激に鈍化している。中国の9月の消費者物価上昇率は1.8%にとどまりこの5年で最低値を記録し、生産者物価は1.8%下がり31カ月連続で下落した。景気低迷と物価下落の動きが世界的に広がっているのだ。



【コラム】経常成長率の回復が至急だ=韓国(2)

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