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【取材日記】ノーベル賞シーズンになると憂鬱なソウル大

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イラスト=キム・フェリョン

先週、ソウル大の教授の間で最大の話題になったのはノーベル賞だった。教授に会えば、尋ねもしないノーベル賞の話に向かう。教授は専攻分野に関係なく、一方では恥ずかしさを、もう一方では危機意識を感じていた。特に日本科学者3人のノーベル物理学賞受賞に衝撃を受けていた。

「韓国もある程度成長したと思っていた。ところがノーベル物理学賞のニュースに接すると、両国の科学研究レベルに顕著な差があることを改めて実感する」。

工学部のA教授は日本科学者のノーベル賞受賞について、「日本科学のシステムが、教育から研究費支援までどれ一つ欠くことなく充実しているという意味」と解釈した。「ある教授が青色LEDに対する理論を開発した後、その弟子とともに大学で実験に成功し、また、中小企業研究員が商用化に成功した。重要なのは、彼らがノーベル賞を受けた青色LED研究は当時ではあまり知られていない分野だったが、20年間ほど着実に研究できる環境が作られていたということだ」。


B教授は新入生と面談した時のことを語った。幼い頃から科学者を夢見て英才教育の学校を卒業した後、ソウル大に進学した学生だった。この学生は「私は科学に飽きました。科学ではなく他の進路を選びたい」と話したという。B教授は「ノーベル賞は日本のオタクのように研究に没頭する人たちが出てきてこそ可能だ」とし「その学生が科学に対して持つ熱意を、詰め込み式の教育と大学教育が守れないということだ」と述べた。

両教授の言葉には共通点がある。「馴染みがなくとんでもない研究がノーベル賞を作る」「胸中の情熱の火を絶えず守ることができる時、ノーベル賞が出てくる」ということだ。日本のトヨタと中小企業の日亜化学工業が研究を着実に支援しなかったとすれば、2014年ノーベル物理学賞は他の国が受賞していたかもしれない。

しかし韓国の科学政策は違う道を進むようだ。人文学部のC教授は「韓国の政策は、ノーベル賞受賞者を出すといって可能性がある学者に巨額を集める」とし「さらにノーベル賞を受賞できそうな学者を韓国に迎えようという雰囲気もある」と述べた。ノーベル賞という花を咲かせることができる基本の土壌を作るより、苗木を移して植えるということだ。ノーベル賞はその国の科学が世界的なレベルに発展したという証拠にすぎず、目標にはならない。一つの分野に没頭する研究者が増え、その研究者の熱意を後押しするシステムを構築するのがもっと重要だ。「科学に飽きた」という学生の心がまた科学に向かう時、私たちはノーベル賞を話すことができる。

イ・サンファ社会部門記者



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