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【時論】米THAADの韓国配備めぐるジレンマ、解決法は?(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
米ミサイル防衛(MD)システムの一環である高高度地域防衛(THAAD=サード)システム配備をめぐる論争が激しくなっている。特に米中関係で韓国がどんな選択をするべきかが論争の核心だ。同盟国である米国はもちろん、最大貿易国である中国の表情も見なければならない韓国としては難しい問題だ。しかしサード配備は米中関係で韓国が二者択一しなければならない問題でもなく、「クジラの争いにエビの背が裂ける状況」という自閉的な視点で眺めることでもない。この問題は徹底的に韓国の国益という観点で眺めて判断しなければならない。

サード配備と国益の間の相関関係は多様だ。サードが北朝鮮のミサイルを防ぐのに効果的か、北朝鮮の核・ミサイル問題および南北関係にどんな影響を及ぼすか、中国とロシアの懸念を払拭できるか、逆にサード配備を受け入れなければ韓米同盟にはどんな影響を及ぼすか、サードなどMD能力を強化しない場合は北朝鮮の脅威にどう対処するのか。

まず、北朝鮮の脅威への対処の実効性を見てみよう。サードは実戦で使われたことがない。ペンタゴンが発表した迎撃成功も、弾頭と推進体が分離しなかったミサイル、それも航空機から落としたミサイルを対象に行われた。


サードの迎撃高度は40-150キロである半面、北朝鮮はこれより低い高度で落とせる多様な武器を保有している。一言で、北朝鮮の脅威への対処に実効がないということだ。さらに深刻な問題は、サードは需要を創出するという点だ。旧ソ連がそうであり、今日のロシアと中国もそうであるように、北朝鮮もMDを無力化するためにより多くの多様な手段を作って対応するのが明らかだ。北の核とMDの敵対的同伴成長を防ぐことが我々の死活のかかる利益なら、その選択は明らかだ。

米国と中国のサード配備に対する立場を確認することも重要だ。米国はサード配備に大きな比重を置いていない。一方、中国は非常に敏感になっている。これは最高指導者がこの問題にかかわっているかどうかを比較すれば分かる。サードの問題が公論化された後、オバマ米大統領の言及はなかった。しかし中国の習近平主席はこの問題に自ら言及している。7月の韓中首脳会談で朴槿恵(パク・クネ)大統領に慎重な判断を注文したほどだ。

米国が慎重な姿勢に変わっているという点にも注目するべきだ。先日までは米軍関係者がサード配備の必要性に言及し、敷地調査までしながら、米国はこれを既成事実化するようだった。しかし最近は雰囲気が変わった。ロバート・ワーク国防副長官はロシアおよび中国を説得しようとしたが、「これらの国はずっと懸念を表している」と述べた。国防総省の報道官も「サード配備に関し、いかなる立場も決まっていない」と強調している。



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