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【取材日記】軍が先に抱擁すべき多文化兵士=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「統計はあるが、虚数の可能性もあって公開できない」。

親または夫婦のうち1人が外国人である多文化家庭(多国籍)の軍幹部と兵士たちの現況を取材する過程で聞いた言葉だ。国防部と軍当局者は、何気なくこうした話をもらした。兵務庁から譲り受けた資料はあるが、信頼度があまり高くないとの意だ。兵務庁の徴兵検査の時に親の国籍をわざわざ表示しないからとのことだ。

安全行政部によれば徴兵検査対象である多文化家庭2世は来年1719人になる。2020年には3626人に増加する。意志さえあれば把握が可能だが、信じるだけの統計さえないと言い逃れるこのような現実は、多文化将兵に対する国防部の無関心さを見せてくれる。


それだからか明確な政策もない。「多文化家庭の将兵もほかの将兵らと同一に接するのが基本政策」だとか「本人が助けを必要とする場合は出る予定」という程度ぐらいだ。基本政策だというのは、つまりしてもしなくてもよいという方針だ。国防部は、本人が多文化家庭の出身という事実が表面化するのを敬遠していて仕方ないと抗弁する。しかし現実はどうだろうか。むしろ彼らは多文化家庭2世という事実を堂々と明らかにしている。

1日、国軍の日記念式に参加した多文化家庭の兵士7人は皆そうだった。「うちの母は○○○人だが、私は言うまでもなく韓国人であり、軍の服務は当然の義務」だと。

彼らが自らを明らかにしたがらないというのは、軍の偏見と先入観だ。

多文化家庭の兵士1000人時代が今年、開かれた。国際結婚が増えながら多文化家庭はねずみ算的に増加している。先に述べた通り、数年以内に2000人、2020年には3000人時代を突破する展望だ。それでも軍の認識は変化について行けずにいる。

軍は武器の現代化を通じて先進強軍を作るとしてドライブをかけている。数兆ウォンを投入して艦艇を建造し、戦闘機を持ってくるという計画のように、軍の戦力増加計画はほとんど武器導入に集中している。「ハードウェアの強化」だけに焦点を置いているということだ。だが最近、22師団銃器乱射事件や28師団でさく烈したユン一等兵事件を見れば「ソフトウェア」の重要性もそれに劣らぬものだということがわかる。

軍は出遅れながら、おろそかにしていたソフトウェアにも気を遣い始めた。多文化家庭の兵士問題も兵営文化の現代化レベルでアプローチしなければならない。不便さを感じないのか、これまで分かっていなかった差別はないのか、軍がすべきことはないのかを考えてみればいい。「本人が助けを必要とすれば出る」とするのではなく、先に軍から出て多文化兵士を抱擁しなければならない。

チョン・ヨンス政治国際部門記者



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