朴泰桓（パク・テファン、２５、仁川市庁）のアジア大会通算１９個目のメダルは銀色だった。朴泰桓は射撃のパク・ビョンテク（４８、金５・銀８・銅６）と共にアジア大会で最も多くのメダルを手にした韓国人になった。

朴泰桓は２５日、仁川（インチョン）文鶴（ムンハク）朴泰桓プールで開かれた男子自由形１００メートル決勝で４８秒７５で銀メダルを獲得した。レース序盤に広がった寧沢濤（中国、４７秒７０）との距離を徐々に狭めていったが逆転には成功できなかった。３位は塩浦慎理（日本、４８秒８５）が入った。

自由形２００メートルと４００メートルで孫楊（中国）・萩野公介（日本）と「韓日中三国戦」を繰り広げた朴泰桓は１００メートルでは他の選手たちと韓日中対決を行った。


朴泰桓は「いくら上手くやったレースも終われば物足りなさが残る。今回も同じ」とし「寧沢濤はスキニー（線が細い、という意味）に見えたがパワーが優れていて驚いた」と相手を称えた。また「塩浦選手も頑張っていた。韓日中選手が１００メートルでレースをしたのは初めてだと思うが、良い経験になった」と話した。

朴泰桓は「彼らと一緒にレースができたのは私にとって祝福だった。競争よりは一緒にレースを行うこと自体が良いことだった。彼らと一緒に授賞台に立てて光栄だ」と話した。２００６年ドーハ・アジア大会からアジア水泳をリードしてきた彼は今では「韓国人・朴泰桓」を越えて「アジア人・朴泰桓」になったようだった。

朴泰桓（パク・テファン）は満１７歳の時にドーハ大会で３冠王（自由形２００・４００・１５００）を手にした。２００８年北京オリンピック（五輪）で４００メートルで金メダルを取った彼は、２０１０年広州アジア大会で中国の張琳と孫楊の追撃を寄せ付けず、再び３冠王（自由形１００・２００・４００）となった。２０１２年ロンドン・オリンピックで孫楊の追撃を許した彼は２０１４年仁川大会では若い選手たちと競い合った。２００メートル・４００メートルでは萩野と孫楊におされて銅メダルだった。リレー４００メートルと８００メートルでは後輩たちと銅メダルを合作した。３回のアジア大会は朴泰桓にとって挑戦と成就、そして再挑戦の連続だった。これらの大会を通じて、朴泰桓はアジア大会１９個のメダル（金６・銀４・銅９）を首にかけた。

インタビューの途中、中国記者が朴泰桓に「大韓水泳連盟との関係がうまくいっていないと聞いた。ショートトラックのアン・ヒョンスも（大韓氷上競技連盟との不和で）ロシアのヴィクトール・アンになった」と、とんでもない質問をした。朴泰桓は「連盟との間に問題はない。アジア大会選抜戦も韓国でやった」と一蹴した。連盟と摩擦があったのは事実だが、朴泰桓は空しさや葛藤構造から抜けだした。朴泰桓は今回の大会で「申し訳ない」、「感謝する」、「たくさん学んだ」という言葉を繰り返している。

金メダルではなくても彼は挑戦を続けていた。２１日から毎日競技に出て、メダルを１日１つずつ獲得している。朴泰桓は２６日のメドレーリレー４００メートルと自由形１５００メートルに出場してメダル追加に挑戦する。メドレーリレー４００メートルは日本が非常に強く、自由形１５００メートルは孫楊が独走してきた種目だ。それでも朴泰桓は「メドレーリレーは仲間と一緒に泳ぐ種目ということで意味がある。メダルを取れたらいい」としながら「１５００メートルも世界的な選手の孫楊についていくなら良い結果を出すことができる」と話して笑った。