韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）が発効して２年半だ。第１７代国会（２００４－２００８年）で国会ＦＴＡフォーラム代表議員として、そして韓米議員外交協議会などを通じて“熱く”扱った記憶が新しい。２００７年のソウル会議当時は、米国議会初めて両国代表団が金剛山（クムガンサン）訪問もした。

当時、韓米ＦＴＡが避けられない選択と考えた理由は簡単だった。貿易規模世界８位の韓国の内需市場は人口では０．７％、国土面積では１０９位にすぎない。米国は世界ＧＤＰの２２．５％を占める１６兆２０００億ドルの最大市場だ。当時、対米貿易規模は減少傾向にあった。韓国としては経済領土を増やすことが生き残る道であり、どうせすることなら外勢に押されて市場を渡すよりは能動的にグローバル化に対応するべきだと考えた。

今後をさらに見ていく必要があるが、韓米ＦＴＡが両国間の貿易にどんな影響を及ぼしているのか、新しく台頭する課題は何か、気になることが多い。韓米ＦＴＡ発効２年目の対米輸出は６２３億ドル、対米輸入は４１７億ドルだった。サービス貿易では米国が１００億ドルを多く稼いた。


当初、米国の価格が安い農産物が押し寄せてくるという懸念も多かった。２０１３年の統計を見ると、農水産物の対米輸出は６億３０００万ドル、対米輸入は６０億ドルだった。ワイン（８．４倍）とチェリー（４．６倍）の輸入が急増した。しかしＦＴＡ発効以前に比べ、ひとまず対米輸出は増え、輸入は減っている。

韓米ＦＴＡ活用度では産業全般の平均値が７６％であるのに対し、農水産物は５１％にとどまった。理由は何か。原産地規定と米食品医薬品局（ＦＤＡ）の食品輸入規制が複雑で厳しいからだ。２０１２年食品安全現代化法（Ｆｏｏｄ　Ｓａｆｅｔｙ　Ｍｏｄｅｎｉｚａｔｉｏｎ　Ａｃｔ）施行でさらに深刻になった。厳格な危害要素重点管理（Ｈａｚａｒｄ　Ａｎａｌｙｓｉｓ　Ｃｒｉｔｉｃａｌ　Ｃｏｎｔｒｏｌ　Ｐｏｉｎｔ）基準、ラベリング、各連邦機関と州政府ごとに相反する法律など関門が多い。特に中小企業は対応が難しい。通関で保留された事例は２０１０年の１９６件から２０１１年には４０３件、２０１２年には４５０件に増えた。

いくつかの事例を見よう。まずはイワシだ。イワシは頭を切って内臓を取り除くなどＨＡＣＣＰ基準に合うよう衛生処理されなければならない。２０１１年以前には水産物の大きさ５インチ（１２．７センチ）以上に限り適用されていたが、範囲が拡大したことで、イワシの偽装搬入による起訴事態まで生じた。

イシモチの事例もある。６個のコンテナ分が半年間保留され、結局、廃棄処分された。船で漁獲した状態で冷凍しなければならないが、塩に漬けた後に冷凍したからだ。アイスクリームも引っかかった。主原料である牛乳が韓国産や米国産でなければならないが、豪州産だったからだ。逆に米国産オレンジジュースも韓国に入ってきたが、オレンジの米国原産地証拠書類の不備により関税追徴危機を迎え、首脳会談の議題にもなった。



【中央時評】韓米ＦＴＡの障害物、非関税規制の障壁（２）