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【グローバルアイ】捨てる術を知ってこそ生きる=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
英語表現の「less is more」は、デザイン専門家たちが好むフレーズだ。「単純なのがより美しい」ぐらいに翻訳される。小枝を落として本質に集中してこそ良いデザインを実現できるという意味だ。

デザインだけのことだろうか。企業競争力もこれを外しては話にならない。

最近グローバル・ビジネス世界では一日と空けずに大型の買収合併(M&A)が盛んに行われている。グローバル企業らはM&Aを通じて規模を大きくして新しい分野へ事業を拡張していく。一瞬見ると、単純さとは縁遠いように見える。ところが見逃してはいけないことがある。世界的企業らのひそかな構造調整だ。


米国製造業の象徴、GEがその例だ。今年6月にフランスの自尊心で呼ばれるアルストムの発電設備部門を買収するとすぐに家電事業部の売却計画を発表した。100年の伝統を持つ事業部だが、収益性が落ちるとすぐに未練なく外すことにしたのだ。世界最大IT企業のマイクロソフト(MS)はIT市場の寵児になったスマートフォン分野を先導するという野心でノキアの携帯電話事業を買収した。だが図体ばかり大きくなって純益が減るとすぐに厳しい構造調整に出た。温和な印象のサトヤ・ナデラ最高経営責任者(CEO)はMS史上最大規模の解雇を断行した。全体職員の14%にあたる1万8000人を送り出したが、そのうち1万2500人が携帯電話部門に関連している。世界IT業界の別の強者であるIBMは、中国PC企業レノボに低価格サーバー事業部を売る。IBMはすでに2005年にPC事業部をレノボに売った。IBMは代わりに企業らを狙った新規ビジネスを拡大している。アップルと手を組んで企業の業務用アプリケーションを開発中で、スーパーコンピューターワトソンの商業化にエンジンをかけた。最近あるイベント会場でIBM関係者たちに会って事業部売却に対して尋ねたところ、このような返事が返ってきた。

「IBMが自信を持っているのは企業サービス分野だ。PC事業から撤退したのは、PCが企業専用製品から一般売り場で容易に購入できる大衆商品へと性格が変わったためだ。低価格サーバー事業部の売却も同じ脈絡だ」。つまりは、より上手にできることに集中するために競争力が弱くなった部門を引き離したということだ。

グローバル企業らにとって構造調整は選択ではなく必須になって久しい。このような構造調整には共通点がある。自身の強みと弱点を熟知して、市場トレンドが変われば直ちに対応するという点だ。

韓国経済が低成長トンネルに閉じ込められて久しい。成長の牽引車は企業だ。人々は国内企業らの成長熱が以前と同じではないと憂慮する。外国企業らが成長経路として好んで使うM&Aもやはり国内では見物するのが難しい。自由で攻撃的な海外M&Aの風景がただうらやましいだけだ。

しかしそれに先立ち韓国企業が構造調整にどれほど熱心にしがみついているのか、政策と制度は構造調整をどれほど支援しているのか探ってみることだ。小枝を落としてこそ本質に集中できる。成長はそうやって始まる。

イ・サンリョル ニューヨーク特派員



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