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【コラム】 「冷や飯」を温める時だ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国内では冷や飯(冷遇されること)なのに、海外では称賛をを受けているものがよくある。ソウル蚕室(チャムシル)に作っている第2ロッテワールドがまさにそれだ。工事現場には東南アジアの観光客がかなりやって来る。「一度見物したい」と話すという。初めは現場関係者が遮った。しかし、あまりにも哀願するため最近は現場の一部を見て回れるようにしている。もちろん安全なところだけ、徹底的に安全規則遵守を守るという条件でだ。韓国内では「シンクホール(陥没)の主犯」という寃罪をこうむったがすでに海外では名所として噂になっているという話だ。

蚕室周辺、または川の向こう側から実際にこの建物を見ると「そんなこともありそうだ」という気がする。いつまた来るか分からない韓国に来た観光客が欲を出すだけのことはあるということだ。第2ロッテワールドのメインビルは123階(555メートル)だ。南山(ナムサン)より高い。2016年末が完工目標だ。メインビルとは別に名品館・映画館などを備えた9~11階の建物もある。こちらはメインビルと違いすでに工事を終えている。いや、すでに1000社余りの業者が入店して営業の準備を終わらせた。オープンさえすれば6000人余りが働くことになる。月900億ウォン(約92億6000万円)規模の新しい市場ができるわけだ。

しかし、彼らは「工事現場だけでも見物する」と訪ねてくる観光客をただ見ているだけだ。夏の商品は損失として抱え込み、「秋夕(チュソク、旧盆)連休中のオープン」だけでも切実に望むばかりだ。「もどかしい」というある入店業者の主人は不渡りを心配していた。ロッテも決断を下した。ソウル市の要求通り連結道路の相当部分が地下化される。工事費が600億ウォン以上増えるのを甘受した措置だ。


しかし依然として結論は出ていない。建物より怪談と憂慮の方が早く上がったためだ。城南(ソンナム)空港離着陸航空機の安全問題が基礎になり、周辺のシンクホールが柱になった。石村(ソクチョン)湖水の水が枯渇したという怪談まで回った。しかし28日、ソウル市は「石村地下車道の空洞は地下鉄9号線の工事のため」と結論を出した。ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長もすでに「タワーが傾いたり崩壊することはないだろう」とコメントした。

それならば結論を下さなければならない時が来ている。その上早いオープンを切なく待っているのはタワーでない別の建物だ。再考する意味もある。この建物はロッテ創業者である辛格浩(シン・ギョクホ)会長(92)の生涯をかけた願いが込められたところだ。「わが祖国にも記念碑的建物が1つはなければならない」と言って20年余りかけて準備した。日本で疎外される中でも自身と子供の韓国国籍を放棄しなかった辛会長だ。昨年の股関節手術以来8カ月ぶりに出席した初めての外部日程もここだった。ロッテがこの工事に投じた資金は3兆5000億ウォンだ。10年かけても回収することは難しいという。金儲けで片付けるにはその中に含まれた老企業家のひたむきな心が身に染みる。

ロッテの責任もある。ただ自分の仕事さえすれば良いという考えでロッテは疑惑の塔が積まれていくのを放置した。もっと積極的にコミュニケーションを取るべきだった。それでも、第2ロッテワールドが冷や飯扱いを受けるのはひどすぎる。今は冷や飯を温めなければならない時だ。

キム・ヨンフン経済部門次長



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