「現代（ヒョンデ）自動車労使は自らの将来のために雇用生態系を新しく作らなければならない。こうした努力をしないなら国民に現代自動車が愛されるかはわからない」。

雇用労働部の李基権（イ・ギグォン）長官が労使対立が続く現代自動車労使に心を決めたように警告した。１８日に記者懇談会を開いてのことだ。

李長官はこの席で法と原則には一言も言及しなかった。代わりに「雇用生態系」を乱している現代自動車労使の責任を強く批判した。


李長官は労組に対し、「大企業の正規職労組が自己中心的な労組活動をし多くの問題を露出させた」と話した。「現代自動車の韓国市場でのシェアは８０％に達するが、これは６万人余りの元請け（現代自動車）労働者だけで作ったものではなく、４０万人に達する協力会社の労働者がいて可能だった。だが協力会社の労働者と元請け労働者の労働条件の格差は広がり続けている」と指摘した。労働界と経営界から温和だと評される李長官がこのように強い直説話法を駆使したのは異例だ。李長官は「現代自動車元請けの労使間争点だけ解決するという考えから抜け出さなければならない」と叱責し、協力業者にも結実を分け合う労使交渉を強く注文した。李長官はまた「現代自動車の元請け・下請け関係はとても多段階化されている。労使がこれまで正規職の号俸制中心に賃金を上げ、下請けなど間接雇用を減らす方策を回避する方式で楽にやってきた」として労使双方を批判した。

金属労組現代自動車支部は１４日、全組合員６９．７％の賛成を受けストライキを決議した。２２日からストライキに入る方針だ。

経営陣にも厳しく忠告した。李長官は「現代自動車は通貨危機後に韓国工場を増設したり新設していない。２００４年に現代自動車の海外生産台数は２０％にすぎなかったが、いまでは６２％に達する」と指摘した。李長官はまた、「労使紛糾で韓国の生産効率が落ちるという理由で工場を海外に移転するより、１０～２０年先を見据え韓国工場増設に向けたマスタープランを持ち、韓国の若者たちを採用できる土台を用意しなければならない」と促した。