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朴大統領の8・15演説の意味と評価(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
「北には手を差し出し、日本には柔軟になった」。日本の植民地支配からの解放を記念する69周年「光復節」(8月15日)式典で行った朴槿恵(パク・クネ)大統領の演説に対する評価だ。朴大統領は今回の演説で北朝鮮に「南北につながる河川と山林を共同管理しよう」と話すなど、環境・民生・文化の3大分野の協力を提案した。日本に対しては「新しい50年を眺めながら未来志向的な友好協力関係に進まなければならず、このために残っている過去の歴史の傷を治癒しようとする努力が必要だ」と述べた。演説に込められた意味と今後の韓国政府の対北朝鮮・対日本政策を展望するため、中央SUNDAYは16日、専門家対談を準備した。北朝鮮専門家のキム・ヨンヒョン東国大北朝鮮学科教授と日本専門家の趙世暎(チョ・セヨン)東西大特任教授(元外交通商部北東アジア局長)が意見を交わした。

--今回の8・15演説を評価してほしい。100点満点で何点をつけるか。

趙世暎教授=対日メッセージは85点を与えたい。未来のための協力と過去の歴史認識が同時に重要だという従来の立場を再確認した。来年が韓日国交正常化50周年であることを強調し、慰安婦問題を解決するのが至急だと述べたが、これは昨年の光復節メッセージにはなかった内容だ。また、日本の指導層と国民を分離して接近した。過去の歴史に対する政治指導者の決断を促す前に、両国間の情緒的交流の伝統を強調した。穏やかに言うべきことは言いながらも指摘すべきことは指摘したとみている。


キム・ヨンヒョン教授=北へのメッセージは65点だ。かろうじて落第を免れたレベルだ。巨大談論の代わりに小さな話をしたが、これが現実的な接近だと考えたためのようだ。苦悩の跡が見えるが、残念だ。期待したものより、非常に低いトーンだったからだ。厳しく言えば、統一部長官レベルだ。もう少し大きく事態を動かす観点でメッセージが出てくることを期待した。

--具体的にどういう点が惜しまれるのか。

キム・ヨンヒョン教授=今の南北関係で双方はお互い自分に有利な方向に引きこもうとしている。しかし葛藤を解消する条件は形成できず、状況を突破する動力も作り出せなかった。朴大統領としては大きなアジェンダを投入しても、北が呼応できるだろうかという疑いを抱いたのかもしれない。核問題が解けない状況で他の窓口を開くのが心配になり、河川や文化遺産の発掘のような低いレベルの提案をしたようだ。しかし年初に統一大チャンス論とドレスデン宣言を出し、大統領直属の統一準備委員会も発足させるなど、大きな一歩を踏み出しておきながら、突然、それを縮小したのは納得しがたい。

--対日メッセージはやや柔軟になったという評価が多いが。

趙世暎教授=最近の韓日関係は最悪だ。1年半以上も首脳会談が行われず、非正常状態が長期化する兆しだ。相互非難の強度が高まることが懸念され、日本国内の嫌韓の雰囲気も普通でない。このような中で両国の指導者が激しい言葉のエスカレーターに乗り始めれば、状況はさらに悪化する可能性が高い。朴大統領は今年の三一節(独立運動記念日)の演説で「(日本は)歴史を否定するほどみずぼらしくなり、窮地に追い込まれる」「政治的な利害だけで考えれば孤立を自ら招く」などの強い言葉を使った。今回は指摘すべき部分を正確に取り上げながらも、言葉のトーンを下げた点で評価できる。

--日本より北朝鮮関連の話が多かった。

キム・ヨンヒョン教授=昨年の光復節の演説で北関連の話は20%だった。今年は25%を超える。それだけ大統領が北に向けて言いたいことが多いということだ。大きなアジェンダを提案するのは難しいため、対話の範囲を広めて、小さな話をたくさんしようという意味のようだ。その一方で北の核に対しては断固たる立場を再確認した。すなわち、平和と安保を並列的に言及したところ、量が増えたのだ。

趙世暎教授=韓日関係はもう2者や平面でなく立体として見なければならない。5月29日に北と日本が関係正常化に関し、1次合意をしたが、韓国とは事前協議が全く行われなかった。国内の一部の人は安倍晋三首相の不意打ちだと主張するが、すべての問題を韓日関係に限定すれば想像力が乏しくなるしかない。日本がなぜ北に接近し、韓日米の連携を揺さぶるのか、北を活用して中国を牽制しようという意図ではないのかなど、総合的に考えて対処してこそ、糸口を見いだせる。

キム・ヨンヒョン教授=昨年の8・15演説だけでも離散家族再会の定例化、非武装地帯(DMZ)世界平和公園造成など具体的な提案があった。こうした点を考えると、今年は5・24措置に関して解除まで言及するのは難しくても、迂回的なレベルで解くという意志を明らかにするべきだった。

--日本・北朝鮮の反応を予想してほしい。

趙世暎教授=日本は前向きな側面だけを見ようとするだろう。光復節の当日、安倍首相は靖国神社を参拝しなかったが、供物を奉納した。また、閣僚3人と議員80人が参拝し、我々に冷や水を浴びせた。過去の民主党執権当時には「閣僚の靖国神社参拝不可」などのガイドラインがあった。当時も独島(ドクト、日本名・竹島)問題で両国関係が冷え込んでいたが、少なくとも歴史認識は安倍政権に比べ前向きだった。したがって韓国も日本に対して希望を捨てたり目標や期待レベルを自ら下げてはいけない。安倍政権が永遠に続くわけではない。次の政権まで眺めながら日本に対して執拗に態度の変化を要求しなければならない。

キム・ヨンヒョン教授=北ももどかしいはずだ。生物多様性や河川管理の提案は我々の立場だけで考えたことだ。北としては今すぐ生活を向上させることが至急ではないだろうか。呼応することがあまりないようだ。さらに金正恩は現在、南北関係を主導する状態ではない。自分の体制を固めることが優先だ。このため北は朴大統領の演説に否定的・消極的に対応し、金剛山(クムガンサン)観光の再開や5・24措置の解除を要求するとみられる。重要なのは北の最近の流れを見ると、朴大統領に対して実名の非難を自制しているという点だ。仁川アジア競技大会に参加し、応援団も送ることにしながらだ。北朝鮮が我々にある程度の期待があるという傍証だ。これを活用する必要がある。

(中央SUNDAY第388号)



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