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【コラム】その時、朴大統領は官邸にいた(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領は4月16日の「問題の7時間」、青瓦台(チョンワデ、大統領府)官邸にいた。金淇春(キム・ギチュン)秘書室長は、この言葉がなかなか言えずに「位置に関しては私は分かりません」(7月7日)と国会で答弁し、セヌリ党の趙源震(チョ・ウォンジン)議員は「青瓦台の敷地内にいらした」(8月13日)と話した。問題の7時間というのは、セウォル号事故が起きた日、大統領が初めて報告を受けた午前10時から、午後5時15分に中央災害安全対策本部を訪問するまでの大統領の動向に関する疑問だ。青瓦台は趙議員を通じて7時間に、18回の電話あるいは書面での報告があったと明らかにした。問題は、対面報告や大統領が主宰した会議がなかったという点だった。この部分は本質的に海上事故のセウォル号惨事を政治的事件へと推し進めようとする悪意と結びつき、醜悪な怪談へと展開した。

最初に大統領がどこにいたかという単純な疑問は、朴大統領の疎通方式、判断力、危機管理能力に対する批判につながった。それは当然ありうる問題提起だった。そうしたことが「某所で朴槿恵-チョン・ユンヒ密会説」という悪意的で扇情的なデマに発展し、これを韓国の権威あるメディアが紹介した。良識ある人ならば口にするのもはばかられるようなこの醜悪な怪談は、7月30日の再・補欠選挙を10日後に控えて細菌のように荒れ狂った。デマは日本のある新聞にうつった。醜悪な怪談が国際化したということだろうか。セウォル号論争が「セウォル号以後の安全な韓国」に進むどころか、日本の嘲弄のネタになり下がったのが残念だ。セウォル号論争にはもう少し多くの事実が提供されなければならない。それでこそ噂や怪談がおさまる。

私が取材したところによれば、朴大統領はその時「某所」にいたのではなく青瓦台敷地内の「官邸」にいた。「密会」をしていたのでなく「業務」を見ていた。これが、あれこれ言われた7時間の事実だ。青瓦台の敷地内には本館と迎賓館(大型行事場所)、官邸や秘書室、警護室、演武館(体育館)、春秋館(記者室)などの建物がある。4月16日午前10時から午後5時まで朴大統領は大統領の住居地である官邸にいた。官邸は本館から数百メートル離れた400坪余りの芝生と1階建ての建物だ。その中に20人ぐらい入ることができる晩餐用の食堂、小会議室、執務室、付属室、私生活空間など大小の部屋が7、8室ある。大統領の業務空間は、原則的には巨大な宮廷型の建築物である本館2階の執務室だが、朴大統領は官邸で仕事をすることが多い。なぜ大統領が平常業務を定位置で行わないかといった重箱の隅をつつくような問題があることはある。しかし政治的でも道徳的にも致命的な問題ではない。大統領自身がいる場所が、そのまま執務室だ。

【コラム】その時、朴大統領は官䂓にいた(2)

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