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ローマ法王のチャーター機、中国領空を初めて通過…習主席に「神の祝福を」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

14日、法王チャーター機で中央日報のコ・ジョンエ特派員がフランシスコ法王と一緒に写真撮影をしている。(写真=米カトリック専門通信社CNSポール・ヘリン記者)

14日、フランシスコ法王のチャーター機「シェパードワン(Shepherd One牧者1号機)」がカトリック史で初めて中国領空を通過した。イタリア・ローマを出発し、ソウル空港に到着するまでに通過した10カ国のうち一つだ。領空通過国の指導者に祝福のメッセージを伝える前例に基づき、法王は中国の習近平国家主席に電文を送り、「中国領空に入り、閣下(your exellency)と閣下の国民を祝福し、中国に平和と安寧のための神の祝福があることを願う」と祈願した。

領空を通過した他の9カ国の首脳に送ったメッセージと似ているが、バチカンの記者は「冷たいバチカンと中国の関係を考えると、メッセージを送ったこと自体に意味がある」と述べた。

1949年に中国に共産政権が誕生し、51年に中国がバチカンと外交関係を断絶した後、双方の葛藤は続いている。法王の権威を認めない中国政府は「天主教愛国会」を設立、法王庁の主教任命を内政干渉だとして拒否し、自らの主教を選出する。バチカンが台湾を認めることも葛藤の要因だ。こうした中、中国政府が法王に領空を開放し、法王がメッセージを伝えたことで、関係正常化の期待感が高まっている。中国内のカトリック専門家ベルナルド・セレブレラ神父は「これは和解の兆候」とし「習主席が法王のメッセージに答えれば、それこそ奇跡が起こることになるだろう」と述べた。


これに先立ち法王はローマからソウルに向かう機内で30分間、記者らに会った。記者会見中は笑いと拍手が続いた。高齢の記者は法王と抱擁した。法王の顔をなでる人もいた。法王は記者の写真撮影要求にも快く応じた。

法王が記者席を訪れたのは、飛行機がローマのフィウミチーノ空港を離陸してから42分過ぎた頃だった。法王を象徴する白い祭服を着て笑み浮かべ、約70人の記者に目礼した。マイクを先に握った法王庁広報局長のフェデリコ・ロンバルディ神父は「(韓国の記者は)韓国で主要報道機関を代表する人たち」と説明した。続いて「先ほど同僚から知らせがあったが、パレスチナ・ガザ地区でAP通信のイタリア人カメラマンのシモネ・カミリ氏が亡くなった」とし「警察3人が不発ミサイルを解体する過程を取材中だった」と述べた。

平穏な表情で話を聞いていた法王の表情が暗くなったのはその時だった。初めて聞いたようだった。法王は手で顔を覆って考えるような姿を見せた。続いて法王がマイクを握った。法王は「ロンバルディ神父の話を聞くと、提案を一つしなければいけない。カミリ氏のために沈黙の中で祈ろう。皆さんの中の一人の方が今日、仕事中に亡くなった」と述べた。そして頭を下げた。記者らも同じく黙とうした。30秒間、機内にはエンジンの音だけが響いた。



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