業務上、統計指標によく目を通すが、韓国の経済社会指標を他の国と比較してみると目につく特徴がある。それは、いくつかの比較対象国のうち、韓国は両極端、すなわち最上位グループや最下位グループに位置する場合が多いという点だ。これは韓国経済・社会は部門間の不均衡が大きいということを示唆する。例えば、韓国は国内総生産(GDP)のうち製造業の比率が経済協力開発機構(OECD)で最も高く、サービス業の比率は最も低い。家計所得の不振もこのような事例の一つだ。2000年以降の経済成長率と家計所得増加率または内需増加率の格差を比較すると、韓国はOECDで格差がかなり大きい方だ。韓国経済の家計所得あるいは内需の不振は、景気循環的な現象というよりも、通貨危機後から続いてきた構造的な問題だ。
開発時代の韓国経済の成長は不均衡成長戦略に合わせられていた。「多くない資源をみんなに少しずつ配分するよりも、うまくいく人に集中させ、この人たちが全体経済の成長を牽引するのが効率的」という構想だった。その結果、一部の大企業が選択され、政府はこれら大企業が貧弱な内需市場より輸出に焦点を合わせるよう誘導した。特に、通貨危機以降、経常黒字と外貨確保に対する執着、グローバル化の進展と中国特需などが複合的に作用し、輸出大企業中心の成長構造はさらに強まった。実際、民間消費の成長寄与率は1970-97年の平均50%から、2000年以降は42%に落ちた。一方、財貨輸出の成長寄与率は同じ期間に39%から88%に、財貨純輸出(輸出-輸入)の成長寄与率は4%から25%と大きく上昇した。
このように経済成長で内需の寄与度が減る一方、製造業の輸出の比率が高まり、輸出競争力が経済政策において優先的な基準となった。輸出競争力のため賃金上昇は低いほどよく、非正規職は自由に増やす必要があった。為替レートは速度が急激でなければウォン安であるのがよく、主力製造業の輸出拡大のために農業や一部サービス業の被害は避けられないと見なされた。
このような戦略は自然な流れで、生産性の上昇を下回る賃金所得不振と自営業の沈滞をもたらした。賃金所得と自営所得を基盤とする家計所得の不振(家計・企業所得間の不均衡)、家計の消費を基盤とする内需の不振(内・外需不均衡)とサービス産業の不振(製造業・サービス業間の不均衡)はすべて、こうした戦略の結果だ。
家計所得と内需の不振は韓国経済の構造的な特徴と関係している問題だ。単純な景気循環的な対応では一時的な効果しか得られない可能性が高い。問題の根本的な解決のためには、例えば、賃金を輸出競争力の偏向的観点から眺めるのをやめ、内需と家計厚生の基盤という側面により大きな加重値を置く観点に移る必要がある。
【時論】家計所得が減れば日本の「失われた20年」に似る(2檁
開発時代の韓国経済の成長は不均衡成長戦略に合わせられていた。「多くない資源をみんなに少しずつ配分するよりも、うまくいく人に集中させ、この人たちが全体経済の成長を牽引するのが効率的」という構想だった。その結果、一部の大企業が選択され、政府はこれら大企業が貧弱な内需市場より輸出に焦点を合わせるよう誘導した。特に、通貨危機以降、経常黒字と外貨確保に対する執着、グローバル化の進展と中国特需などが複合的に作用し、輸出大企業中心の成長構造はさらに強まった。実際、民間消費の成長寄与率は1970-97年の平均50%から、2000年以降は42%に落ちた。一方、財貨輸出の成長寄与率は同じ期間に39%から88%に、財貨純輸出(輸出-輸入)の成長寄与率は4%から25%と大きく上昇した。
このように経済成長で内需の寄与度が減る一方、製造業の輸出の比率が高まり、輸出競争力が経済政策において優先的な基準となった。輸出競争力のため賃金上昇は低いほどよく、非正規職は自由に増やす必要があった。為替レートは速度が急激でなければウォン安であるのがよく、主力製造業の輸出拡大のために農業や一部サービス業の被害は避けられないと見なされた。
このような戦略は自然な流れで、生産性の上昇を下回る賃金所得不振と自営業の沈滞をもたらした。賃金所得と自営所得を基盤とする家計所得の不振(家計・企業所得間の不均衡)、家計の消費を基盤とする内需の不振(内・外需不均衡)とサービス産業の不振(製造業・サービス業間の不均衡)はすべて、こうした戦略の結果だ。
家計所得と内需の不振は韓国経済の構造的な特徴と関係している問題だ。単純な景気循環的な対応では一時的な効果しか得られない可能性が高い。問題の根本的な解決のためには、例えば、賃金を輸出競争力の偏向的観点から眺めるのをやめ、内需と家計厚生の基盤という側面により大きな加重値を置く観点に移る必要がある。
【時論】家計所得が減れば日本の「失われた20年」に似る(2檁
この記事を読んで…