③リッピ監督や広州チームの選手たちが登場するミネラルウォーターの広告には、上の部分に長白山の表記が鮮明だ。
④恒大はワールドスターの范冰冰もモデルに起用した。⑤恒大に対抗して崑崙山が起用したテニス界のスター、李娜選手。(写真=中央フォト)
昨年11月に広州で開かれたFCソウルとのチャンピオンズリーグ決勝戦に出場した広州選手たちのユニフォームには「恒大氷泉」の文字が入っていた。優勝が決まるとすぐに競技場にはミネラルウォーターの大型ボトルが登場した。ミネラルウォーターの広報大使フィーゴとイエロが現れると雰囲気は絶頂となった。恒大は優勝した日から翌年の春節(今年は1月31日)まで20億中国元(約3300億ウォン)を広告費に注ぎ込んだ。ジャッキー・チェンと范冰冰をモデルとして前面に出し、CC-TVや各省を代表する衛星テレビを埋め尽くしていった。中国最大ポータルサイトの新浪は「最大の広告主は恒大」と打ち明けた。「世界水の日」である3月22日には、全国各地で「全国民健康飲料水祭り」を開いた。5月には北京人民大会堂に記者数百人を招いて世界28カ国との輸出契約式を盛大に開いた。
恒大の広告攻撃はライバル企業たちを挑発した。崑崙山は対抗して中国のテニスの英雄・李娜を起用してマーケティングに突入した。モデル料として4000万中国元(約66億ウォン)以上を投じたと推定されている。娃哈哈も浙江テレビと最低2億中国元(約332億ウォン)の広告契約を締結した。広告にお金をあまり使わなかった5100氷川さえ、ポータルサイトの捜狐に広告を出す計画をたてた。ここに、品質を認められる韓国ブランドまで加勢した。ロッテが5月、白頭山のわき水「白山池」を出し、農心は6月に吉林省で年間200万トン生産規模の新工場の起工式を開いた。
このような状況で恒大が釘を刺そうと出したカードが『大長今(テジャングム、日本タイトル・宮廷女官チャングムの誓い)』以降、中国で最高の人気を博している韓国ドラマの『星から来たあなた』のチョン・ジヒョンとキム・スヒョンだった。『覇王別姫』の陳凱歌がCM監督をつとめた。だが、長白山という原産地の表記1つが、あのような事態を引き起こすとは思わなかったのだ。
◆白頭山は世界3大水源地
恒大がミネラルウォーター取水源に選んだ白頭山は、欧州のアルプス、ロシアのコーカサスとともに「世界3大水源地」に挙げられる。白頭山の火山岩盤水は20種余りの天然ミネラルを含有し、水の味と栄養が優れているという評価を受ける。鴨緑江(アムノッカン)と豆満江(トゥマンガン)、松花江(スンファガン)の源流が白頭山であるほど水量も豊富だ。2000年以降、中国屈指のミネラルウォーター企業らの取水工場がこちらに相次いで入った。恒大をはじめ、農夫山泉・娃哈哈・康師傅・天士力など10社を超える。韓国の農心も70年間の取水権を確保して2010年からミネラルウォーターを生産し、2012年末からは国内でも販売している。農心は2003年から良い水源地を探すために鬱陵島(ウルルンド)、ハワイなどの火山地帯を調べた末に白頭山を選んだという。年25万トン生産規模のこれまでの工場に加えて先月新しい工場の建設も始めた。興味深いのは、農心が中国で販売するミネラルウォーター「白山水」にも「長白山」からの取水源を明記しているが、これが問題になったことはなかったという点だ。ロッテも5月初めから吉林省白山市から汲み出した白頭山のわき水「白山池」の販売を始めた。
韓国スターも巻き込まれた中国ミネラルウォーターの熾烈な市場争い(1)
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