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カネに身動き取れない金正恩… 「5兆~20兆の対日請求権資金を考慮」(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
金正恩としては父親の金正日が残した北朝鮮と日本の関係改善という課題を継続する象徴性もある。2002年の首脳会談で金正日は日本人拉致事実を認めつつ日本に接近したが、逆に日本国内の「北朝鮮の発表を信じることはできない」という批判世論に遭い意を成し遂げられなかった。金正恩が安倍氏との首脳会談を推進するだろうとの観測もある。金正恩は執権以降、相次ぐ挑発と対南非難で朴槿恵(パク・クネ)政府との破局を自ら招いた。元米国プロバスケット協会(NBA)出身のデニス・ロッドマンを平壌に招き、韓国系米国人ケネス・ペさんを通じて人質外交まで繰り広げたがワシントンは微動だにしていない。安倍氏を選ぶことによって金正恩が「ソウルとワシントンがダメなら東京に行けばいい」とのメッセージを送ったということになる。

安倍氏としては対北朝鮮関係で最大の懸案事項である拉致日本人問題の解決の踏み台を置いた。拉致被害者問題は日本国民の対政府支持世論を左右するバロメーターだ。国立外交院のチョ・ヤンヒョン教授は「歴史・領土問題で韓中と衝突した安倍氏が外交的な孤立から脱却するために北朝鮮と手を握ったもの」と話した。

しかし意気投合した金正恩と安倍氏がどれほど持続可能な成果を出すかは不透明だ。今回の日朝合意の核心は、北朝鮮が特別調査委員会を構成して調査活動を始める時点に日本が対北朝鮮制裁を解除するという点だ。米朝間の核プログラムの凍結・補償合意のように「行動」と「行動」が同時に動く。このため、両者の履行過程で足並みが揃わなくなってくる可能性が大きい構図だ。特に拉致日本人の規模や生死確認をめぐって対立するおそれもある。北朝鮮がすでに死亡を通知した横田めぐみさん(1977年11月に拉致された女子中学生)の生存説などはその最たるものだ。「生存者が発見された場合、帰国させる方向で協議する」という合意事項が言うほど容易なことではないとの観測だ。

カネに身動き取れない金正恩… 「5兆~20兆の対日請求権資金を考慮」(1)

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