多くの欧州諸国には「海賊党(pirat party)」がある。海賊党はインターネットを基盤とした草の根政党だ。主な動因は、既成政治への失望だ。海賊党の政策方向を定めるのは指導部ではなく党員たちの内部討論と投票だ。
海賊党の党員は主に「変わり者(geeks)」だ。海賊党は根っこがオンライン世界なので、中立性(neutrality)のような記述懸案に過度に力を注ぐ傾向がある。十分に予想可能なことだが、選挙で海賊党の得票率は微小だ。
海賊党が韓国でスタートすれば、欧州の元祖海賊党よりもっと上手くやれるのではないかと気になる。私の考えでは海賊党という名前で登場はしないだろう。誰も真剣に思わないから。記述世界のどんな特定問題についても集中することもないようだ。「韓国型」海賊党は恐らく、「現実世界」の中の政治組織であって主流問題について討論し、選挙に候補者も送り出すだろう。
韓国政治で最も悲しい現象の1つは、極端な下向式構造のために普通の人々が感じる無力感だ。
私の意見は、国民自らが下向式「big man」のリーダーシップをあおるということだ。下向式リーダーシップでは真のリーダーシップを期待できないにもかかわらずだ。韓国政治には「私たちを救ってくれる人」が現れるのを期待する傾向がある。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領を記憶する老年層の有権者は、何も考えずに朴槿恵(パク・クネ)候補に票を入れた。方式は違うが、若い人々も同じだ。彼らは安哲秀(アン・チョルス)との愛に陥ったし、また愛から抜け出した。彼らは熱情的にトークコンサートに行って進歩的な文化評論家や流行の先端を歩く教授の文を読む。毎日この人たちがした話をソーシャルメディアで伝播させる。私はこのように反応したい。「でも、皆さん自身の考えは何なのですか?」
失望に向かう確実な道である英雄作りよりは、アイデアや討論そして民主主義それ自体を持ち上げるのはどうだろうか。未来に韓国を席巻する政治的現状の主人公が個人ではなく、インターネット基盤組織ではないという理由はないのではないか。どんな理念や地域もなく誰でも参加できる古代ギリシャのアゴラのような討論の場としてスタートする、そのような組織のことだ。内容が簡単な創党憲章は「1人1票」を保障するだろう。参加度と能力により指導者が自然に浮上するが、彼らもまた、多数決に立った意志決定という制限を受けるだろう。公職に出馬する候補者は当然1人1票の原則により該当選挙区に住む党員たちが選出するだろう。
一方、オフラインでは地域別にコーヒーショップやホールのようなところで“サロン”を組織できるはずだ。関心のある人々は仕事が終わった後の夕方から討論に参加でき、次々と自身が選んだイシューについて話せるだろう。討論にはただ2種類の規則が適用されるだろう。ほかの人の意見を尊重することと、声を高めないことだ。地域党の指導者もまた、こうした集いを通じて浮かび上がるだろう。これら全てが実現されなくても、自分の考えを疎通させるために討論会に行くのが、トークコンサートに行くよりもはるかに良くはないだろうか。
このような下意上達式の大衆政党である海賊党は、少なくとも初期には韓国のあらゆる分野を治める仲間同士のネットワークから完全に独立的だろう。それで実際に国民が本当に望むことを反映した政策が出てきて、心からその政策を実行する可能性が高くなるだろう。
韓国ほどインターネットが人々の人生の中に深く入り込んだ国はない。また、韓国ほど腐敗と無能力とアイデアの貧困のために国民が失望する国もない。よく聞く話は、韓国には真の保守あるいは進歩が主流の政治世界にはいないということだ。私はその話に同意するほかはない。こうした脈絡で見れば、海賊党が韓国で成功しなければ、どんな国でも成功できないと思う。
もし海賊党が現実政治で成功するならば、本来の理想からはいくらか遠ざかった姿かも知れない。だが私は信じる。海賊党が既成政党に圧力を加えて国民が望むことをさらによく反映するようにして、より透明で責任性のある政治をさせるだろうということを。
ダニエル・チューダー元エコノミスト ソウル特派員
海賊党の党員は主に「変わり者(geeks)」だ。海賊党は根っこがオンライン世界なので、中立性(neutrality)のような記述懸案に過度に力を注ぐ傾向がある。十分に予想可能なことだが、選挙で海賊党の得票率は微小だ。
海賊党が韓国でスタートすれば、欧州の元祖海賊党よりもっと上手くやれるのではないかと気になる。私の考えでは海賊党という名前で登場はしないだろう。誰も真剣に思わないから。記述世界のどんな特定問題についても集中することもないようだ。「韓国型」海賊党は恐らく、「現実世界」の中の政治組織であって主流問題について討論し、選挙に候補者も送り出すだろう。
韓国政治で最も悲しい現象の1つは、極端な下向式構造のために普通の人々が感じる無力感だ。
私の意見は、国民自らが下向式「big man」のリーダーシップをあおるということだ。下向式リーダーシップでは真のリーダーシップを期待できないにもかかわらずだ。韓国政治には「私たちを救ってくれる人」が現れるのを期待する傾向がある。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領を記憶する老年層の有権者は、何も考えずに朴槿恵(パク・クネ)候補に票を入れた。方式は違うが、若い人々も同じだ。彼らは安哲秀(アン・チョルス)との愛に陥ったし、また愛から抜け出した。彼らは熱情的にトークコンサートに行って進歩的な文化評論家や流行の先端を歩く教授の文を読む。毎日この人たちがした話をソーシャルメディアで伝播させる。私はこのように反応したい。「でも、皆さん自身の考えは何なのですか?」
失望に向かう確実な道である英雄作りよりは、アイデアや討論そして民主主義それ自体を持ち上げるのはどうだろうか。未来に韓国を席巻する政治的現状の主人公が個人ではなく、インターネット基盤組織ではないという理由はないのではないか。どんな理念や地域もなく誰でも参加できる古代ギリシャのアゴラのような討論の場としてスタートする、そのような組織のことだ。内容が簡単な創党憲章は「1人1票」を保障するだろう。参加度と能力により指導者が自然に浮上するが、彼らもまた、多数決に立った意志決定という制限を受けるだろう。公職に出馬する候補者は当然1人1票の原則により該当選挙区に住む党員たちが選出するだろう。
一方、オフラインでは地域別にコーヒーショップやホールのようなところで“サロン”を組織できるはずだ。関心のある人々は仕事が終わった後の夕方から討論に参加でき、次々と自身が選んだイシューについて話せるだろう。討論にはただ2種類の規則が適用されるだろう。ほかの人の意見を尊重することと、声を高めないことだ。地域党の指導者もまた、こうした集いを通じて浮かび上がるだろう。これら全てが実現されなくても、自分の考えを疎通させるために討論会に行くのが、トークコンサートに行くよりもはるかに良くはないだろうか。
このような下意上達式の大衆政党である海賊党は、少なくとも初期には韓国のあらゆる分野を治める仲間同士のネットワークから完全に独立的だろう。それで実際に国民が本当に望むことを反映した政策が出てきて、心からその政策を実行する可能性が高くなるだろう。
韓国ほどインターネットが人々の人生の中に深く入り込んだ国はない。また、韓国ほど腐敗と無能力とアイデアの貧困のために国民が失望する国もない。よく聞く話は、韓国には真の保守あるいは進歩が主流の政治世界にはいないということだ。私はその話に同意するほかはない。こうした脈絡で見れば、海賊党が韓国で成功しなければ、どんな国でも成功できないと思う。
もし海賊党が現実政治で成功するならば、本来の理想からはいくらか遠ざかった姿かも知れない。だが私は信じる。海賊党が既成政党に圧力を加えて国民が望むことをさらによく反映するようにして、より透明で責任性のある政治をさせるだろうということを。
ダニエル・チューダー元エコノミスト ソウル特派員
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