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【社説】今の海洋警察では第2のセウォル号は防げない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
海洋警察庁の恥ずかしい実体が次々と表れている。旅客船「セウォル号」沈没事故の遅い対応など初動対処の失敗に続き、報告上の問題、捜査情報の流出、でたらめな集計の隠蔽などが連日明らかになっている。海洋警察は果たして何のために存在する組織なのか、存在する価値があるのか、問わざるをえない。

海運の不正を捜査中の釜山地検特別捜査チームは、海洋警察が韓国船級に捜査の動向を知らせたという証拠を確保し、調査を始めた。釜山海洋警察の情報官が先月24日、検察捜査チームが家宅捜索をするという情報を前日に韓国船級の法務チーム長に知らせたという。また、海洋警察は生存者の数の集計に錯誤があることを半月以上も隠してきたことが分かった。生存者が174人でなく172人であることを先月21日に把握しながらも公開しなかったのだ。海洋警察は「また誤りがないか、一人ひとり確認したところ、このようになった」と弁解している。2月に行われた海洋警察のセウォル号特別安全点検はわずか1時間余りで終わり、先月15日晩に仁川港沿岸旅客ターミナルで勤務した海洋警察はセウォル号出港の30分前に退勤したことも明らかになった。

海洋警察のあきれるような問題が一つや二つではない。最近公開された海洋警察の状況報告書によると、海洋警察は事故直後の救助作業は誇張し、行方不明者の部分は省略したまま青瓦台(チョンワデ、大統領府)などに報告した。このため、事故の初期に青瓦台や政府が状況を誤って判断したという指摘が出ている。そのほか、海洋警察が犠牲者の生徒の携帯電話メモリーカードなどを遺族の同意なく見たという声が出ている。事故・救助状況での問題を隠すためではないかという疑いを招いている。このように失策と不正、犯罪疑惑が出ている渦中にゴルフをした済州海洋警察の幹部の職位解除まで、苦笑が出るしかない。


海洋警察の総体的な問題はどこから始まったのだろうか。海洋警察がチョ・ヒョンリョン議員(セヌリ党)に提出した幹部勤務現況資料を見ると、その理由が見える。総警以上の幹部67人のうち25%の17人が警備艦艇勤務経験がないか、わずか1カ月以内(3人)であり、潜水職別(主特技)に分類された幹部は1人しかいなかった。警監以上(716人)に対象を拡大しても、潜水職別は7人にすぎなかった。現場経験がない人たちが指揮部に座っているのだ。海洋警察が事故直後にセウォル号の乗客救助をためらったのは、すべて理由があったということだ。こうした専門性の欠如の中、韓国船級と癒着しているという疑惑まで提起されている。検察は海洋警察が換骨奪胎するよう徹底的に捜査しなければならないだろう。

今回の惨事で、海洋警察の全面改革なしに第2、第3のセウォル号惨事を防げないことが明らかになった。収拾がある程度終われば、海洋警察組織のシステムと機能を診断した後、大手術に取り組まなければならない。国民の生命を海上の災難から救い出す能力も、決然たる意志もない海洋警察をこのまま放置するのは、国家の義務を破ることではないか。



【特集】韓国旅客船「セウォル」沈没事故

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