ブラジルワールドカップ（Ｗ杯）開幕まで残り３７日。“眠れるサッカー天才”朴主永（パク・ジュヨン、２９、ワトフォード）が動き始めた。ゴールデンウィークにも朴主永は休む余裕がなかった。京畿道坡州国家代表トレーニングセンターで、池田誠剛フィジカルトレーナーと一日２時間ずつ汗を流した。パク・コンハ・コーチもサポートした。

右足の蜂窩織炎で朴主永は先月初めにシーズンを終えて帰国し、治療を受けた。約２週間、一日に１０時間のリハビリを行った。治療を終えた後、先月２４日からは坡州で実戦向けのコンディションを取り戻すため、練習の強度を高めた。“皇帝トレーニング”と皮肉る人もいるが、朴主永は気にしていない。周囲から何と言われようと、サッカー選手はグラウンドで見せるものがすべてというのが朴主永の持論だ。

パク・コーチは「けがで練習を消化できない中でも、体脂肪量を完ぺきに維持していて驚いた。毎日欠かさず２時間ほど練習している。朴主永の要請で一日に２回練習することもあった。目標意識が強く、練習では怖いほど集中している。プロフェッショナルだと感じさせる選手」と話した。


パク・コーチは「けがの部位の治療が終わった後、筋力を高めることに集中した。最近は実際の試合と似た状況を演出し、シュート感覚を高める練習をしている。往復ダッシュとジグザグドリブルを何度も繰り返して疲れた後、休憩もせずシュート練習を行い、集中力を高めている」と伝えた。

韓国代表の洪明甫（ホン・ミョンボ）監督が朴主永の復活に必死になるのは、朴主永が代表チームの核心の核心であるからだ。競技場では戦術の頂点であり、競技場外ではコミュニケーションの中心だ。メディアとはそれほど親しくないが、選手団の中で朴主永の姿は完全に違う。

洪監督は「外から朴主永をどう見ているか分からないが、私が見る姿は違う。２０１０年広州アジア競技大会のイランとの３位決定戦で、後輩が全力を出していない時も、朴主永だけは前半から死力を尽くした。そのおかげで後半に劇的な逆転勝ち（４－３）をした」と語った。

２０１２年ロンドンオリンピック（五輪）を控え、兵役逃れという批判に苦しむ朴主永のため、洪監督は記者会見を自ら要望し、朴主永は日本との３位決定戦の決勝ゴールでこれに報いた。２人の間の信頼関係は長くて強い。しかし代表チーム招集期間以外には私的に連絡しない。情でつながる粘っこい師弟関係というより、お互い信頼して理解し合うパートナーのような関係だ。

ブラジルは“サッカー天才”朴主永の原点だ。チョング高校１年だった２００１年、１年間のブラジル留学を通じてサッカーを見る目が完全に変わった。１２年ぶりに戻るブラジルで第２の全盛期の扉を開くというのが朴主永の覚悟だ。

２０１１年夏にアーセナルに入団した後、朴主永はセルタ・ビーゴ（スペイン）、ワトフォード（イングランド）など転々としたが、目立った活躍はなかった。今季を最後にＦＡ資格を取得する朴主永にとって、ブラジルＷ杯は選手人生の転換点となる勝負どころだ。

洪監督は８日、Ｗ杯エントリー２３人を発表する。朴主永、金信旭（キム・シンウク、２６、蔚山）、孫弘敏（ソン・フンミン、２２、レバークーゼン）、李青竜（イ・チョンヨン、２６、ボルトン）、池東源（チ・ドンウォン、２３、アウクスブルク）、金甫ギョン（キム・ボギョン、２５、カーディフシティ）、具滋哲（ク・ジャチョル、２５、マインツ）、李根鎬（イ・グノ、２９、尚州）、奇誠庸（キ・ソンヨン、２５、サンダーランド）、韓国栄（ハン・グギョン、２４、柏）、河大成（ハ・デソン、２９、北京国安）、洪正好（ホン・ジョンホ、２５、アウクスブルク）、金英権（キム・ヨングォン、２４、広州恒大）、郭泰輝（クァク・テフィ、３３、アル・ヒラル）、金珍洙（キム・ジンス、２２、新潟）、朴柱昊（パク・チュホ、２８、マインツ）、李鎔（イ・ヨン、２８、蔚山）、鄭成竜（チョン・ソンリョン、２９、水原）、金承奎（キム・スンギュ、２４、蔚山）、李範永（イ・ボムヨン、２５、釜山）ら主軸選手はほぼ決まった。

南泰煕（ナム・テヒ、２３、レフウィヤ）、李明周（イ・ミョンジュ、２４、浦項）、朴種佑（パク・ジョンウ、２５）、張賢秀（チャン・ヒョンス、２３、以上・広州富力）、金昌洙（キム・チャンス、２９、柏）、黄錫鎬（ファン・ソクホ、２５、広島）が残りのポジションで争う。

一方、奇誠庸は右ひざの治療を受け、Ｗ杯を準備するため、６日に帰国した。