朴槿恵(パク・クネ)大統領が17日、「セウォル号」沈没事故現場と行方不明者家族対策本部を訪問した。当初、朴大統領は沈没現場だけを訪問する予定だったが、行方不明者の家族の要請で珍島室内体育館も訪問した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)参謀が突発状況を懸念して現場訪問を引き止めたが、朴大統領は「行くことに決めたのでは」として家族との面会を強行したという。
午後4時30分ごろ体育館に到着した朴大統領は、慰労の言葉とともに30分間ほど行方不明者の家族と質疑応答の時間を持った。朴大統領が体育館に入ると、誰かが大声で「子どもの母と父の生死が分かりません。必ず助けてください」と泣き叫んだ。親なく一人で救助されたクォン・ジヨンちゃん(5)の叔母だった。
ジヨンちゃんの叔母をはじめ、行方不明者の家族や救助された生徒ら約600人は「うちの子を助けてください」「必ず助けてください」と絶叫した。朴大統領は出入口から壇上まで100メートルほどを歩いていく間、何度も行方不明者の家族の手を握ったり慰労の言葉をかけた。
朴大統領は「つらいだろうが希望を失わず、政府の救助の便りを待ってほしい」と言い聞かせた。続いて「政府が動員可能な資源と人材を動員し、最善を尽くす」と約束した。
以下は行方不明者の家族が尋ね、朴大統領が答えた内容。
--昨日から今日までテレビ放送を見たが、船長が先に脱出し、いま海洋警察にいる。海洋水産部・海洋警察を外してほしい。信頼できない。
「徹底的に調査し、原因究明も確実にする。それに対しては必ず厳罰に処する」
--私は2回、現場に行ってきた。指揮体系も問題だが、12人が作業中といいながら、実際に行ってみると2人だけだった。(政府と海洋警察は)何をしたのか、なぜ私たちは知ることができないのか。
「家族の方々は本当につらいはずだ。クレーンが何時に到着するのか、そういうことをより徹底し、要求事項があれば実践しなければいけない」
朴大統領の隣にいた金錫均(キム・ソクギュン)海洋警察庁長官が「クレーンの件から申し上げる」と話すと、行方不明者の家族は激しい口調で言葉を遮った。
--潜水士が入れなければ、空気でも注入するべきではないのか。
「空気でも注入してほしいというのが家族の期待であることを知りながらも、なぜできないのか」
朴大統領の質問に対し、金庁長は「空気を入れる進入路を確保する作業を続けている」「クレーンを引くのに必要なバージ船の承認が出なかった」などと説明すると、家族からは激しい言葉が飛んだ。
朴大統領は「今後あらゆることを家族中心に、より詳しく(空気注入)計画がどう進行されるのか分かるように説明するのがよい」と即席で金庁長に指示した。
--指揮体系を無視して大統領直属として一人だけ選出して送ってほしい。(※家族が一斉に拍手)
「現場をよく知る人たちが配置され、家族が要請することを直ちに伝えるようにする」
--空気を注入してください。
空気注入要請が度重なると、朴大統領は金庁長に「信頼が重要だと思う。空気を入れてはならないのなら、理由を詳しく説明しなければいけないようだ」と再び尋ねた。気が焦る家族の切迫した質問は続いた。
--私たちが望むのは、いくら流れが強くて、まっ暗でも、潜水士を投入して食堂・ゲームセンターにいる子どもを救出してほしいということだ。1秒が惜しい。
この時、金庁長が「私たちはいかなる条件でも潜水士を500人ほど投入して…」と話し始めると、あちこちからまた避難の声が出た。「嘘つくな」「この野郎」など非難や暴言が大統領の面前で金庁長に浴びせられた。こうした状況が続くと、金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長が大統領に耳打ちしようと動いた。しかし朴大統領は金秘書室長を手ぶりで止めた。
--こうした指揮体系で24時間過ぎた。
「家族の方々が話したことが実行されるよう指示する」
--命令を出してほしい。(公務員は)話を聞かない。
「そういうことはない。守られなければ、ここにいる方々がみんな責任を取って退かなければいけない。最後まで最善を尽くしてほしいという言葉を伝えたし、これが(大統領の)命令だ」(家族がまた拍手)
--大韓民国の主人は誰か。
「国民が大韓民国の主人だ」
対話が終わると、ある男性が壇上から下りる朴大統領に向かって「大統領が約束しても守られないことがある」と叫んだ。朴大統領はこの男性に「電話番号をください」と言って手を出した。「私が確認し、これからすべてのことがよく守られているか電話をする」と話した後、実際にこの男性の電話番号を受けた。
一方、朴大統領はこの日、珍島の現場を行き来する間、バス・飛行機・船舶など運送手段を11回も乗り換えたと、閔庚旭(ミン・ギョンウク)青瓦台報道官が伝えた。食事も朝に構内食堂を利用した後、帰りはサンドイッチで済ませたという。
【特集】韓国旅客船「セウォル」沈没事故
午後4時30分ごろ体育館に到着した朴大統領は、慰労の言葉とともに30分間ほど行方不明者の家族と質疑応答の時間を持った。朴大統領が体育館に入ると、誰かが大声で「子どもの母と父の生死が分かりません。必ず助けてください」と泣き叫んだ。親なく一人で救助されたクォン・ジヨンちゃん(5)の叔母だった。
ジヨンちゃんの叔母をはじめ、行方不明者の家族や救助された生徒ら約600人は「うちの子を助けてください」「必ず助けてください」と絶叫した。朴大統領は出入口から壇上まで100メートルほどを歩いていく間、何度も行方不明者の家族の手を握ったり慰労の言葉をかけた。
朴大統領は「つらいだろうが希望を失わず、政府の救助の便りを待ってほしい」と言い聞かせた。続いて「政府が動員可能な資源と人材を動員し、最善を尽くす」と約束した。
以下は行方不明者の家族が尋ね、朴大統領が答えた内容。
--昨日から今日までテレビ放送を見たが、船長が先に脱出し、いま海洋警察にいる。海洋水産部・海洋警察を外してほしい。信頼できない。
「徹底的に調査し、原因究明も確実にする。それに対しては必ず厳罰に処する」
--私は2回、現場に行ってきた。指揮体系も問題だが、12人が作業中といいながら、実際に行ってみると2人だけだった。(政府と海洋警察は)何をしたのか、なぜ私たちは知ることができないのか。
「家族の方々は本当につらいはずだ。クレーンが何時に到着するのか、そういうことをより徹底し、要求事項があれば実践しなければいけない」
朴大統領の隣にいた金錫均(キム・ソクギュン)海洋警察庁長官が「クレーンの件から申し上げる」と話すと、行方不明者の家族は激しい口調で言葉を遮った。
--潜水士が入れなければ、空気でも注入するべきではないのか。
「空気でも注入してほしいというのが家族の期待であることを知りながらも、なぜできないのか」
朴大統領の質問に対し、金庁長は「空気を入れる進入路を確保する作業を続けている」「クレーンを引くのに必要なバージ船の承認が出なかった」などと説明すると、家族からは激しい言葉が飛んだ。
朴大統領は「今後あらゆることを家族中心に、より詳しく(空気注入)計画がどう進行されるのか分かるように説明するのがよい」と即席で金庁長に指示した。
--指揮体系を無視して大統領直属として一人だけ選出して送ってほしい。(※家族が一斉に拍手)
「現場をよく知る人たちが配置され、家族が要請することを直ちに伝えるようにする」
--空気を注入してください。
空気注入要請が度重なると、朴大統領は金庁長に「信頼が重要だと思う。空気を入れてはならないのなら、理由を詳しく説明しなければいけないようだ」と再び尋ねた。気が焦る家族の切迫した質問は続いた。
--私たちが望むのは、いくら流れが強くて、まっ暗でも、潜水士を投入して食堂・ゲームセンターにいる子どもを救出してほしいということだ。1秒が惜しい。
この時、金庁長が「私たちはいかなる条件でも潜水士を500人ほど投入して…」と話し始めると、あちこちからまた避難の声が出た。「嘘つくな」「この野郎」など非難や暴言が大統領の面前で金庁長に浴びせられた。こうした状況が続くと、金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長が大統領に耳打ちしようと動いた。しかし朴大統領は金秘書室長を手ぶりで止めた。
--こうした指揮体系で24時間過ぎた。
「家族の方々が話したことが実行されるよう指示する」
--命令を出してほしい。(公務員は)話を聞かない。
「そういうことはない。守られなければ、ここにいる方々がみんな責任を取って退かなければいけない。最後まで最善を尽くしてほしいという言葉を伝えたし、これが(大統領の)命令だ」(家族がまた拍手)
--大韓民国の主人は誰か。
「国民が大韓民国の主人だ」
対話が終わると、ある男性が壇上から下りる朴大統領に向かって「大統領が約束しても守られないことがある」と叫んだ。朴大統領はこの男性に「電話番号をください」と言って手を出した。「私が確認し、これからすべてのことがよく守られているか電話をする」と話した後、実際にこの男性の電話番号を受けた。
一方、朴大統領はこの日、珍島の現場を行き来する間、バス・飛行機・船舶など運送手段を11回も乗り換えたと、閔庚旭(ミン・ギョンウク)青瓦台報道官が伝えた。食事も朝に構内食堂を利用した後、帰りはサンドイッチで済ませたという。
【特集】韓国旅客船「セウォル」沈没事故
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