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【コラム】韓国サービス産業にかけられた“過剰な期待”(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の現政権はサービス産業の発展に総力を挙げている。

数カ月前、経済副首相は「サービス産業の発展が、韓国経済の命運を分ける」などとまで言い、過去1年間に政府が発表した経済成長促進対策の多くが医療や観光などサービス業の規制緩和策だ。医療・教育・観光・金融・ソフトウェアなどのサービス業が産業政策の焦点になっている。

理解できる話だ。国際的基準で立ち遅れているサービス業種の生産性を高める必要があり、医療・ソフトウェアなど優秀人材が多い業種を輸出産業として育てれば経済にとって得になる。


しかしサービス産業を発展させる必要があって発展させれば良いということと、サービス産業の発展に経済政策の優先的な順位が与えられるべきだというのは全く別の話だ。

サービス中心の経済戦略に敷かれている理論は、脱産業化の経済論だ。所得水準がある程度以上になれば、製造業製品よりもサービスに対する需要が相対的に増えて、サービス業が経済の中心となるという主張だ。実際に過去20~30年間、すべての先進国で製造業が国内総生産(GDP)と雇用に占める比重は大幅に減った。

しかし脱産業化が、製造業の重要性が減ることを意味するのではない。先進国のGDPで製造業の比重が減った主な理由は、製造業の生産量の絶対的減少ではなく、製造業製品の相対的な価格下落にあったためだ。そして製造業製品の相対価格が落ちるのは、製造業の生産性がサービス業の生産性よりもさらに早く上がるためだ。実際に、製造業製品の相対的価格の下落を考慮して再計算してみれば、過去20~30年間の米国・スイス・スウェーデンを含む多くの先進国で製造業の比重は減ったのではなく、増えている。

韓国のサービス業の生産性が低いというのも、額面をそのままに受け入れるだけの話ではない。例えば米国・英国などは従業員1人あたりの販売額数基準として、小売業の生産性が非常に高い。しかしこれは多くの部分がサービスの質を低くして成り立ったものだ。従業員の数を減らし、店舗で顧客がサービスを受けるまで20~30分ずつ待たせる。郊外に大型マートを開店して販売単価を低くするが、顧客は長時間運転しなければ行けず、行ったところで非常に広い売り場を苦労して歩かなければならないために、「小売りサービス」という面では製品の質が落ちたのだ。小売業の生産性を上げるからと言って韓国もこういうことを追随してやるべきだろうか?



【コラム】韓国サービス産業にかけられた“過剰な期待”(2)

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