「統一大チャンス論を絶対的に支持する。ただし直ちに北朝鮮が崩れると考えて無理強いしてはいけない。北朝鮮が朴槿恵(パク・クネ)大統領のドレスデン3大提案を受け入れなくても原則通り押し進めるべきだ。北朝鮮が無人機を南に飛ばして第4次核実験をしても、民間レベルの人道的支援は継続する必要がある」
朴槿恵政権の対北朝鮮構想の下絵に相当な影響力を及ぼしてきたと評される元統一部長官の康仁徳(カン・インドク)北朝鮮大学院大学招へい教授(82)は5日、中央SUNDAYとのインタビューでこのように強調した。
康元長官は朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の時期に中央情報部で北朝鮮を担当し、1968年1・21事態(青瓦台襲撃未遂事件)を1年前に予想し、72年の7・4共同声明の生みの親をつとめ、金大中(キム・デジュン)政権では統一部長官を歴任するなど国内最高の北朝鮮専門家に挙げられている。昨年7月、朴大統領に安保・統一を諮問する「国家安保諮問団」委員に任命された彼は、青瓦台(チョンワデ、大統領府)と統一部の高位関係者たちに統一構想を深く助言してきたという。
◆朴大統領統の統一大チャンス論は絶対支持
--朴大統領の統一大チャンス論をどのように評価するか。
「絶対的に同意する。一部では統一コストが数十兆ウォンかかるとして反対しているが、北朝鮮の同胞はバカだというのか。彼らの創造力を刺激して成長動力を引き出せば良い。統一すれば韓半島(朝鮮半島)が大陸と海洋を連結するハブになるが、日本や中国も黙っているだろうか。積極的に投資するだろう。また南北軍事力180万人のうち30万人だけ残して、ほかは経済成長に投じることができる。統一されれば韓国の国民総生産の20%が減少するだろうという主張は、取り越し苦労だったということが立証されるだろう。韓国が統一に対し、より肯定的な態度を取る必要がある。特に若者たちに統一の必要性を教育する努力を傾けるべきだ」
--統一大チャンス論もこうした認識から出たものか。
「そうだと見ている。ドイツのドレスデンで朴大統領が北朝鮮にした3大提案(人道的問題の優先解決、共同繁栄のための民生インフラ構築、同質性回復)は、そうした前提のもとで徐々に統一を実現して行こうとする布石だ。特に人道的支援は5・24対北朝鮮制裁措置を解かなくても行えるということを朴大統領が示唆したものと見られる。付け加えるなら中国と日本、ロシアと米国に『統一韓国はあなた方にとっても利益』であることを説得し、支持を引き出してこそ統一が可能だということだ。西ドイツはソ連と米国・英国にそうやって説得して統一を実現させた」
--最近相次いだ北朝鮮の挑発をどのように見るか。
「金正日(キム・ジョンイル)は韓国戦争(朝鮮戦争)を体験した老幹部が周辺にいて戦争の恐ろしさを知っていた。ところが金正恩(キム・ジョンウン)はそんな参謀がおらず心配になる。挑発と宥和攻勢を板飛びをするように行き来する姿は、まさに不安の表現だ。父親とは違って権力基盤が不安だから自身が決めたことを自身が変えるなど右往左往している。誰が忠誠を捧げるだろうか?」
--張成沢(チャン・ソンテク)粛清以後、金正恩体制が安定しているという主張があるが。
「それは違う。北朝鮮の粛清の歴史を調べれば、いつも後始末に1年以上かかった。金日成(キム・イルソン)が1967年3月に甲山派(カプサンパ)を粛清したが、1年後の68年3月の地方党幹部組織の3分の2が空席だっただけに後遺症が激しかった。張成沢の粛清はさらに後遺症が激しく、収拾までは2~3年かかる。これは必然的に体制の弱体化につながる。結局、長期的には南北関係が緊密化されるしかない。しかし問題は核だ。昨年の第3次核実験ですでにウラン段階に移ったと見られる」
--北朝鮮が核を放棄する可能性は。
「今のところはない。だが爆撃で寧辺(ヨンビョン)核基地をなくすこともできない。寧辺はソウルとの距離が500キロだが中国丹東とは50キロだ。中国が猛烈に反対する。結局、制裁と交渉を併行させて北の変化を待つという持久戦しかない」
--それでも人道的支援をしなければならないのか。
「しなければならない。脱北者の中で苦難の行軍時期に生まれた10代の青年に会ってみたが、背が低いのはもちろん脳まで悪くなっていたという。教師たちが『一部の子供が同じ話を10回話しても聞き取れず、検査をしてみたら脳障害だった』と言っていた。このまま行けば統一韓国は障害児数十万人を抱え込まなければならないかもしれない。また北朝鮮が誇る平壌中央産院の写真を見ると、妊婦がビール瓶でリンゲル注射を打っていた。産院に栄養センターをつくって妊婦と新生児をサポートしなければならない。北に支援をすれば軍事用に転用されると憂慮しているが、コメの代わりに複合肥料を与えれば転用はできない」
(中央SUNDAY第369号)
韓国・元統一部長官「『金正恩の来年崩壊説』は性急な判断」(2)
朴槿恵政権の対北朝鮮構想の下絵に相当な影響力を及ぼしてきたと評される元統一部長官の康仁徳(カン・インドク)北朝鮮大学院大学招へい教授(82)は5日、中央SUNDAYとのインタビューでこのように強調した。
康元長官は朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の時期に中央情報部で北朝鮮を担当し、1968年1・21事態(青瓦台襲撃未遂事件)を1年前に予想し、72年の7・4共同声明の生みの親をつとめ、金大中(キム・デジュン)政権では統一部長官を歴任するなど国内最高の北朝鮮専門家に挙げられている。昨年7月、朴大統領に安保・統一を諮問する「国家安保諮問団」委員に任命された彼は、青瓦台(チョンワデ、大統領府)と統一部の高位関係者たちに統一構想を深く助言してきたという。
◆朴大統領統の統一大チャンス論は絶対支持
--朴大統領の統一大チャンス論をどのように評価するか。
「絶対的に同意する。一部では統一コストが数十兆ウォンかかるとして反対しているが、北朝鮮の同胞はバカだというのか。彼らの創造力を刺激して成長動力を引き出せば良い。統一すれば韓半島(朝鮮半島)が大陸と海洋を連結するハブになるが、日本や中国も黙っているだろうか。積極的に投資するだろう。また南北軍事力180万人のうち30万人だけ残して、ほかは経済成長に投じることができる。統一されれば韓国の国民総生産の20%が減少するだろうという主張は、取り越し苦労だったということが立証されるだろう。韓国が統一に対し、より肯定的な態度を取る必要がある。特に若者たちに統一の必要性を教育する努力を傾けるべきだ」
--統一大チャンス論もこうした認識から出たものか。
「そうだと見ている。ドイツのドレスデンで朴大統領が北朝鮮にした3大提案(人道的問題の優先解決、共同繁栄のための民生インフラ構築、同質性回復)は、そうした前提のもとで徐々に統一を実現して行こうとする布石だ。特に人道的支援は5・24対北朝鮮制裁措置を解かなくても行えるということを朴大統領が示唆したものと見られる。付け加えるなら中国と日本、ロシアと米国に『統一韓国はあなた方にとっても利益』であることを説得し、支持を引き出してこそ統一が可能だということだ。西ドイツはソ連と米国・英国にそうやって説得して統一を実現させた」
--最近相次いだ北朝鮮の挑発をどのように見るか。
「金正日(キム・ジョンイル)は韓国戦争(朝鮮戦争)を体験した老幹部が周辺にいて戦争の恐ろしさを知っていた。ところが金正恩(キム・ジョンウン)はそんな参謀がおらず心配になる。挑発と宥和攻勢を板飛びをするように行き来する姿は、まさに不安の表現だ。父親とは違って権力基盤が不安だから自身が決めたことを自身が変えるなど右往左往している。誰が忠誠を捧げるだろうか?」
--張成沢(チャン・ソンテク)粛清以後、金正恩体制が安定しているという主張があるが。
「それは違う。北朝鮮の粛清の歴史を調べれば、いつも後始末に1年以上かかった。金日成(キム・イルソン)が1967年3月に甲山派(カプサンパ)を粛清したが、1年後の68年3月の地方党幹部組織の3分の2が空席だっただけに後遺症が激しかった。張成沢の粛清はさらに後遺症が激しく、収拾までは2~3年かかる。これは必然的に体制の弱体化につながる。結局、長期的には南北関係が緊密化されるしかない。しかし問題は核だ。昨年の第3次核実験ですでにウラン段階に移ったと見られる」
--北朝鮮が核を放棄する可能性は。
「今のところはない。だが爆撃で寧辺(ヨンビョン)核基地をなくすこともできない。寧辺はソウルとの距離が500キロだが中国丹東とは50キロだ。中国が猛烈に反対する。結局、制裁と交渉を併行させて北の変化を待つという持久戦しかない」
--それでも人道的支援をしなければならないのか。
「しなければならない。脱北者の中で苦難の行軍時期に生まれた10代の青年に会ってみたが、背が低いのはもちろん脳まで悪くなっていたという。教師たちが『一部の子供が同じ話を10回話しても聞き取れず、検査をしてみたら脳障害だった』と言っていた。このまま行けば統一韓国は障害児数十万人を抱え込まなければならないかもしれない。また北朝鮮が誇る平壌中央産院の写真を見ると、妊婦がビール瓶でリンゲル注射を打っていた。産院に栄養センターをつくって妊婦と新生児をサポートしなければならない。北に支援をすれば軍事用に転用されると憂慮しているが、コメの代わりに複合肥料を与えれば転用はできない」
(中央SUNDAY第369号)
韓国・元統一部長官「『金正恩の来年崩壊説』は性急な判断」(2)
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