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【社説】「死にたいという人をどうやって防ぐのか」という認識を変えよう=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「人生は遊戯ではない。自己の意志だけでそれを放棄する権利はない」。韓国はトルストイの名言も顔負けの社会だ。自殺死亡率は経済協力開発機構(OECD)加盟国で断然1位だ。2012年基準で人口10万人当たり28.1人。OECD平均の2.3倍だ。増加率も1位だ。2000~2010年に100%以上増えた。同じ期間にポルトガルとチリを除くすべての国が減少傾向を見せた。「自殺大乱」が起きたが、私たちは国レベルでの総合対策を立てなかった。「死にたいという人をどんな手段で防ぐのか」という安易な考えが今日の「自殺共和国」を作り出した。

自殺のタイプは大きく医学的・社会的・哲学的自殺に分かれる。このうち人生に対する究極的な会議から始まる哲学的自殺は、どの時代、どの社会でもあった。予防・管理しにくい自殺タイプだ。これに対し孤立感・ストレス・衝撃などが繰り返され起きる社会的自殺や、肉体的・精神的病気のために起きる医学的自殺は社会の雰囲気と政策意志により相当部分防げる。

これまで自殺原因・タイプを綿密に調査したケースは珍しかった。そのため的確な対策も立てにくかった。1日に保健福祉部が自殺未遂者の面接調査と心理的解剖、国民認識調査に基づいて大規模な実態調査の結果を出したのは遅かったが幸いなことだ。自殺未遂者1359人の自殺を図った理由を調査した結果「憂鬱感など精神科的症状」が37.9%で最も多かった。「対人関係ストレス」が31.2%で後に続き、「身体的病気」も5.7%と少なくなかった。医学的・社会的自殺タイプが大部分を占めた。


自殺研究者はよく交通事故と自殺を比較する。1990年初め、人口10万人当たり40人余りが交通事故で死亡していた。「経済が発展すれば車が増え、車が増えれば交通事故死亡者が増えるほかない」という認識が交通地獄を作った。その後交通インフラを整備し法規を強化して大々的な交通意識先進化運動を行った。その結果現在では10万人当たり10人台に落ちた。医学的・社会的自殺もやはり確固とした意志さえあれば減らせるのに、「底の抜けた瓶に水を注ぐもの」という認識がまだ強い。

今回の実態調査結果は政策方向も提示してくれる。自殺未遂人口の自殺死亡率は10万人当たり700人と調査された。これは一般人口の25倍に上る。短期的には自殺高危険群を集中管理することだけでも悲劇的選択を減らすことができる。実際にいくつかの地方自治体が自殺未遂者に定期的な相談サービスを提供し大きな効果を上げている。中長期的にはうつ病などが精神異常ではなく脳疾患という認識を広め、福祉・セーフティネットを細かく設けるなどの対策が必要だ。先日国会立法調査処は毎年自殺による社会経済的損失が最大3兆800億ウォンに達するという報告書を出した。莫大な費用を減らすためにも「死にたいという人、手段を使えば防げる」という社会的コンセンサスが必要だ。



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