共働きのイ・ソンミンさん(36、女性)は、月30万ウォン(3万円弱)ずつ入れている変額年金を増やし、別の年金貯蓄にも追加で加入する計画だ。金利は期待よりも低いが老後の準備がさらに必要だと感じているからだ。イさんは「今かかる費用を減らしてでも、あらかじめ準備しておく」と話した。
老後の心配のために、人々が今の消費を減らしているという分析が出てきた。韓国銀行調査局が10日に出した「最近の消費不振と家計の時間選好の変化」報告書の結論だ。
低金利が持続しているのになぜ消費が増えないのだろうか。この疑問が、報告書の出発点だった。低金利の時は人々が貯蓄(未来消費)よりも現在の消費を増やすというのがこれまでの常識だった。だが韓国の民間消費増加率は2008年以降、類のない低金利の中でも経済成長率に至らなかった。研究チームは消費を遮る心理的要因があると見た。これを確認するために「未来のために現在の消費を減らす傾向」が2000年以降どのように変わったのかマクロ経済の模型を通じて推定した。
この結果、すぐに使うよりも貯蓄しようとする指向を見せる「時間割引因子」の値が2000年代初期の0.93から2013年の0.99に着実に上昇した。割引因子(0~1の間)が1に近いほど、未来のために現在の消費を減らす傾向が大きいという意味だ。報告書はこうした変化の最も大きい原因として、人口高齢化を挙げた。期待寿命はますます伸びるのに、高齢者が頼る安定的な所得財源がないために未来は不安定だ。その上、国民年金まで2060年には基金が枯渇するという展望が出ている。引退後の生活のために現在の費用を減らしてでも貯蓄を増やさなければならない動機がますます強くなる理由だ。
雇用安定性が以前より低下したのも別の要因だ。昨年、労働者のうち非正規職が占める比率は32.6%に達する。いつ働き口を失うことになるかも知れない不安な状況だと、未来のためにすぐに生活を切り詰めようとする傾向が強くなる。
問題は、未来のために消費を減らす傾向が経済成長にまで否定的な影響を及ぼすという点だ。報告書によれば、このような傾向が単純に消費だけを減少させるのではなく生産や雇用まで減らして景気を萎縮させる主要要因になる。韓銀のペ・ビョンホ次長は「人口高齢化に備えて社会のセーフティネットを強化し、雇用安定性を確保する対策がとられてこそ、経済主体の心理が改善されて実物経済が回復できるだろう」と話した。
老後の心配のために、人々が今の消費を減らしているという分析が出てきた。韓国銀行調査局が10日に出した「最近の消費不振と家計の時間選好の変化」報告書の結論だ。
低金利が持続しているのになぜ消費が増えないのだろうか。この疑問が、報告書の出発点だった。低金利の時は人々が貯蓄(未来消費)よりも現在の消費を増やすというのがこれまでの常識だった。だが韓国の民間消費増加率は2008年以降、類のない低金利の中でも経済成長率に至らなかった。研究チームは消費を遮る心理的要因があると見た。これを確認するために「未来のために現在の消費を減らす傾向」が2000年以降どのように変わったのかマクロ経済の模型を通じて推定した。
この結果、すぐに使うよりも貯蓄しようとする指向を見せる「時間割引因子」の値が2000年代初期の0.93から2013年の0.99に着実に上昇した。割引因子(0~1の間)が1に近いほど、未来のために現在の消費を減らす傾向が大きいという意味だ。報告書はこうした変化の最も大きい原因として、人口高齢化を挙げた。期待寿命はますます伸びるのに、高齢者が頼る安定的な所得財源がないために未来は不安定だ。その上、国民年金まで2060年には基金が枯渇するという展望が出ている。引退後の生活のために現在の費用を減らしてでも貯蓄を増やさなければならない動機がますます強くなる理由だ。
雇用安定性が以前より低下したのも別の要因だ。昨年、労働者のうち非正規職が占める比率は32.6%に達する。いつ働き口を失うことになるかも知れない不安な状況だと、未来のためにすぐに生活を切り詰めようとする傾向が強くなる。
問題は、未来のために消費を減らす傾向が経済成長にまで否定的な影響を及ぼすという点だ。報告書によれば、このような傾向が単純に消費だけを減少させるのではなく生産や雇用まで減らして景気を萎縮させる主要要因になる。韓銀のペ・ビョンホ次長は「人口高齢化に備えて社会のセーフティネットを強化し、雇用安定性を確保する対策がとられてこそ、経済主体の心理が改善されて実物経済が回復できるだろう」と話した。
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