世界選手権の優勝者がうな垂れた。しかしまだレースは終わっていない。

２０１３世界選手権で総合優勝したシン・ダウン（２１、ソウル市庁）は１０日（日本時間）、ロシア・ソチのアイスバーグスケートパレスで行われたソチ冬季オリンピック（五輪）ショートトラック男子１５００メートル準決勝を終えた後、肩を落として競技場を去っていった。

シン・ダウンは準決勝で先頭を滑走していたが、３周を残したところでバランスを崩して転倒した。シン・ダウンが転倒すると、２位だったイ・ハンビン（城南市庁）もシン・ダウンに引っかかり転倒した。イ・ハンビンはアドバンテージを受けて決勝に進出したが、深く責任を感じていた。競技後、イ・ハンビンが背中を叩きながら励ましたが、シン・ダウンの表情は変わらなかった。シン・ダウンは無言のまま競技場を後にした。


シン・ダウンは昨年、世界選手権で総合優勝し、すい星のごとく現れた新鋭だ。しかしワールドカップ（Ｗ杯）シリーズでも何度か転倒する不運があった。昨年１０月にソウル木洞で開かれたＷ杯第２戦では、５０００メートルリレーの準決勝で転倒すると、シン・ダウンはうな垂れて涙を流し、観客から慰労を受けた。

世界選手権で総合優勝したが、五輪は今回が初めてだ。Ｗ杯シリーズでの不振を払しょくするため、シン・ダウンは誰より熱心に練習した。睡眠中をマスクをし、呼吸を強化させる努力もした。しかし不運なレースにまたうな垂れた。

まだ失望することは早い。シン・ダウンは１３日、男子１０００メートルに出場する。男子５０００メートルリレーも残っている。シン・ダウンは今回の五輪で必ずメダルを獲得し、先月まで一緒に練習してきたノ・ジンギュ（韓国体育大）のためにパフォーマンスをすると誓った。その約束を守るためにもシン・ダウンは再起しなければならない。





【特集】ソチ冬季オリンピック２０１４