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経済・軍事力が強まるほど脅威論も広がる…中国が「実力の逆説」警戒(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

10年後の中国。

中国社会科学院が南北(韓国・北朝鮮)統一問題を習近平主席時代の韓半島(朝鮮半島)問題の核心として公開的に取り上げたのは、中国のG2(米国・中国)世界戦略と関連していると分析される。

「アジア・太平洋地区発展報告書」は「実力の逆説(実力悖論)」という言葉で、今後10年間の中国の世界戦略問題を表現した。中国の浮上が周辺国との葛藤を深めて中国脅威論が広がれば、米国に追いつくのがそれだけ難しくなるという問題意識を反映したものといえる。

報告書はまず、中国が現在の発展速度を維持すれば、今後5-10年後には米国と対等またはそれを上回る5大力量を持つと分析した。


一つ目、経済規模の面で米国を上回るのが確実ということだ。すでにハーバード大経済学科のデイル・ジャーガンソン教授が中国の経済規模は2018年に米国を超えると予想しており、インド国際関係委員会(ICRIER)も2017年に中国が米国を超え、2050年には米国の2倍になると予想している。

◆「中国浮上=周辺国が利益」説得を強化

二つ目、中国の軍事力は米国並みにはならないが、アジア太平洋地域で中国の核心利益を守り、領域内の安定に主導的な役割をする程度には強まるという分析だ。清華大国際問題研究所の閻学通所長は、2023年に中国は3-5隻の空母、射程距離8000キロ以上のミサイルを搭載した4、5隻の原子力潜水艦、第5世代ステルス戦闘機の保有などで、米国の軍事力の60-70%に迫ると予想した。

三つ目、インターネットを前面に出したニューメディアで世界を圧倒するという評価だ。中国インターネット情報センターが明らかにした昨年の中国のインターネット人口は6億人で、すでに世界最高だ。2023年には10億人を超えると予想され、ツイッターなどを利用した人々の媒体力が国際社会の世論を形成するパワーに浮上することが確実視される。

四つ目、このような力を前面に出しながら、周辺国に対する政治外交的な影響力が強まり、結局、ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3(韓国・日本・中国)はもちろん、インド・豪州との経済協力強化で形成される領域内の単一経済圏で、中国の影響力が米国を上回ると、報告書は分析した。

問題は、中国が5大力量を前面に出しながら副作用が生じる「実力の逆説」だ。中国の影響力が大きくなるにつれ、周辺国の期待が強まる国際環境が形成され始めたのが代表的な例だ。力ばかり強調するのではなく、国際平和を維持する責任ある大国外交をすべきだという要求が強まっているということだ。北朝鮮の核実験と長距離ミサイル発射時、国際社会が中国の対北朝鮮制裁に圧力を加えるのが良い例だ。

また中国と米国の格差が縮まり、周辺国との格差は広がることで、周辺国との葛藤は地域の不安定を引き起こすほど悪化する可能性があるということだ。中国が強くなるほどロシアやインドで中国脅威論が浮上し、両国の協力が深まる可能性があるということだ。実際、中ロ両国が近づいただけに、ロシアとインドも軍事的な関係を強化している。



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