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【コラム】量的緩和の逆説=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イラスト=カン・イルグ。

懸念した海外発の悪材料が再発した。先週アルゼンチン・ペソが暴落し債務不履行(デフォルト)の可能性が拡大したことで世界の証券市場では連日株価暴落が続いている。米国と欧州の証券市場では2%以上株価が落ち、韓国をはじめとするアジアの証券市場も一斉に暴落傾向を見せた。一部では2008年の米国発の世界金融危機と2010年の欧州発財政危機に続き新興国発の金融危機が始まったという懸念すら出ている。

事実アルゼンチンとトルコなど危機の可能性が大きいと指摘される新興国は昨年から不安な兆しを見せてきた。昨年5月に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が量的緩和縮小の可能性を示唆してから新興国の証券市場と外国為替市場は混沌の連続だった。不安になった国際投資資金が引き潮のように流出して株価は暴落し通貨は急落した。2007年のアジア通貨危機当時のような激しさではなかったが、典型的な危機の様相を見せたのだ。

◆新興国発の金融危機の兆し


量的緩和とは米国が2008年のリーマンブラザース破綻に触発された世界金融危機に対応するために動員した極端な景気浮揚策だった。ゼロ金利でも景気が回復しないため金融会社の債券を買い取る方式で無制限の金融緩和に乗り出したものだ。実際に米国は量的緩和措置を通じて3兆ドルに達する資金を市場に放出した。米国市場に放出されたドルは一瞬のうちに世界に広まった。世界の基軸通貨であるドルの威力だ。そのうち一部は1銭でも多くの収益を得ようと高度成長を謳歌する新興市場に押し寄せた。米国の量的緩和は米国の景気だけ回復させるのではなく、新興国の株式と債券価格を上げるのにも一役買ったのだ。いつのまにか世界は米国の無差別なドルばらまきが招いた人為的な低金利と証券市場の活況に適応することになった。極端で例外的な米国の通貨政策を日常的で当然のことと感じるようになったのだ。

そうした錯覚を破ったのが昨年5月のバーナンキ・ショックだ。当初量的緩和が意図した景気浮揚という目的が達成される可能性が大きくなり、異常な通貨政策を段階的に正常化すると宣言したのだ。バーナンキ議長としては本格的な量的緩和縮小に先立ち一種の予防注射を打ったものだが、それだけで世界の証券市場は大騒ぎとなった。新興国がその時にでも正気に戻り将来の危機の可能性に備えていたなら良かったが、量的緩和の甘いムードから抜け出すのは容易でなかった。ついにバーナンキ議長が予告した通り昨年末から量的緩和縮小措置が始まると経済の基礎体力が弱い国から化けの皮がはがれた。

経済構造調整に失敗し、大規模な経常収支赤字に苦しみ、政情不安と腐敗が広がる新興国がまず危険国に挙げられた。通貨が暴落したアルゼンチンとトルコをはじめ、南アフリカ、ブラジル、インド、インドネシア、ハンガリー、チリ、ポーランドなどがリスクに弱い国とされた。



【コラム】量的緩和の逆説=韓国(2)

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