先月、ドイツ・ベルリンで興味深い学会が開かれた。1989年11月9日のベルリンの壁崩壊を記念し、「Falling Walls」と題して開かれたこの学会は、学問分野間の障壁、企業や大学など組織間の障壁を崩して融合研究を活性化しようという趣旨で、学者・芸術家・企業家が1カ所に集まり、融合研究の成功事例と新しいアイデアを発表した。さらに興味深かったのは、学会の後、世界各国の研究関連組織の代表者30人余りが集まり、科学研究発展の障害について率直に議論したことだった。この席には、英国の首席科学諮問官(Chief Scientific Adviser)、ドイツのヘルムホルツ研究会理事長、フランスのパステル元研究所長、米国科学ジャーナル「サイエンス」の編集長と研究中心大学の総長が参加した。女性科学者の参加拡大、産学研交流の活性化、科学者と大衆の疎通問題など、いくつかのイシューが議論されたが、最も注目を受けたのは英国の科学諮問官ウォルポート博士(Sir Mark Walport)が提示した「過剰規制をどう克服するか」というテーマだった。
ウォルポート博士は、欧州では過剰規制が先端研究とこれを利用した産業発展を阻害しているとし、その例として遺伝子組み換え食品(GMO)を取り上げた。欧州は伝統的に遺伝子組み換え食品に対する規制が厳しく、遺伝子組み換え作物の栽培がほとんど不可能だが、こうした規制のために欧州科学者は作物を画期的に改良する研究ができない、ということだ。これは欧州の農業発展を妨げるだけでなく、アフリカなど食糧不足に苦しむ国を支援できる効率的な方法を制限している、と言いながら惜しんだ。
ウォルポート博士は、過剰規制ができる根本的な理由は規制当局のインセンティブが非対称的であるためだと主張した。すなわち、規制をせずに生じる被害は直接的ですぐに目に見えるが、過剰規制によって生じる被害はたいてい長期的、間接的であるため、規制当局はほとんど規制しようとする、ということだ。こうした見解に多くの参加者が同意し、今の欧州はGMOだけでなく、多くの分野で過剰規制のため科学研究とその成果を利用する産業の発展が阻害される危険に直面していると懸念を表した。そして韓国の事情はどうかと関心を向けた。短期間に先端産業を発展させた韓国には、こうした過剰規制がないのではという考えだった。
【中央時評】創意的研究を妨げる過剰規制=韓国(2)
ウォルポート博士は、欧州では過剰規制が先端研究とこれを利用した産業発展を阻害しているとし、その例として遺伝子組み換え食品(GMO)を取り上げた。欧州は伝統的に遺伝子組み換え食品に対する規制が厳しく、遺伝子組み換え作物の栽培がほとんど不可能だが、こうした規制のために欧州科学者は作物を画期的に改良する研究ができない、ということだ。これは欧州の農業発展を妨げるだけでなく、アフリカなど食糧不足に苦しむ国を支援できる効率的な方法を制限している、と言いながら惜しんだ。
ウォルポート博士は、過剰規制ができる根本的な理由は規制当局のインセンティブが非対称的であるためだと主張した。すなわち、規制をせずに生じる被害は直接的ですぐに目に見えるが、過剰規制によって生じる被害はたいてい長期的、間接的であるため、規制当局はほとんど規制しようとする、ということだ。こうした見解に多くの参加者が同意し、今の欧州はGMOだけでなく、多くの分野で過剰規制のため科学研究とその成果を利用する産業の発展が阻害される危険に直面していると懸念を表した。そして韓国の事情はどうかと関心を向けた。短期間に先端産業を発展させた韓国には、こうした過剰規制がないのではという考えだった。
【中央時評】創意的研究を妨げる過剰規制=韓国(2)
この記事を読んで…