スープ皿で溺死するという西洋の話があるが、私はチャジャン麺(ジャージャー麺)でそうなりかけたことがある。学生時代、酒に酔っぱらって気がつくとある中華料理店だった。思わずその店に立ち寄ってチャジャン麺を注文したところ、そこに顔を突っ伏して寝てしまったのだ。ジャジャン麺まみれになった顔を主人がおしぼりで拭いてくれた記憶がある。チャジャン麺がどれほど好きならそうなるのだろうか。今でも私が一番好きなのはスパゲティではなくチャジャン麺だ。何かに悩んでいる時、私は中華料理店でこの食べ物一杯を注文して考えを整理する。箸で麺を口の中にかき込むうちに突然、絡み合っていた考えが解きほぐれたりする。
中華料理店で働く人たちはチャジャン麺をまかない食としてよく食べる。一度ソウル西小門(ソソムン)のペジェ飯店というところに行ったところ、支配人がお昼に大盛りを食べているのを見て、その店を無条件に愛したこともある。どれほど速く麺を飲み込んだのか、その素晴らしい食欲にその店のチャジャン麺の味を信じることになったのだ。私が知る限り、スパゲティ店やピザ屋、カムジャタンの店の従業員は自分が売る食べ物を特に食べようとしない。なぜ唯一チャジャン麺だけは飽きないのだろうか。血管に流れるという、病みつきになると表現するその食べ物であるゆえなのか。
何年か前に日本の長崎に行った。知ってのとおりこの街は、日本の開港の歴史があちこちに残っている。最近、韓国でも人気を呼んでいる長崎チャンポン発祥の地だ。この料理は100年余り前に中国人が初めて作って売るうちに長崎の象徴になった。チャイナタウンに行けば「オリジナル」チャンポンを味わうことができる。韓国チャンポンとは全く違っていたが、汁が牛乳のようにまろやかで辛くない。韓国人観光客はもっぱらこの料理を食べに長崎に立ち寄ったりもする。ところで驚くべきことに長崎に韓国式の辛いチャンポンが上陸した。広告コピーを見るとさらに「韓国の粉トウガラシを直輸入」したと自慢さえしている。日本で中国人が作って、韓国に渡ってきてヒットしたチャンポンが、すでに逆輸出されているとは驚くべきだとしか言えない。
ところでこの地域のいくつかの中華料理店で、チャジャン麺を食べられるということを知っている人は珍しい。2種類のスタイルがある。1つは伝統の北京式で、もう1つは意外にも韓国式だ。北京式は「会楽園」で出しており、韓国式は「西湖」という店で出している。北京の夏の代表の食事がまさにチャジャン麺だ。汁なしで軽く混ぜて食べやすいからだ。韓国のチャジャン麺にキュウリを切って入れるのもまさに北京から由来したものだ。北京式は中国味噌にデンプンをほとんど入れず適当に塩辛くてざっくばらんに麺と混ぜる。一方、韓国式はデンプンがソースになり食べ応えがあってやわらかい。チャジャン麺一杯でこのように東洋3国の歴史が乱麻のように絡み合っているようだ。
とにかく長崎の2種類のチャジャン麺の味はあまねく良かった。長崎で食べる2種類の味のチャンポン、そしてやはり2種類バージョンのチャジャン麺。この独特の並列が、韓国の食文化史を説明する核心的なカギにならないだろうかという気がした。とにかく今日の遅めのランチはチャジャン麺、もしくはチャンポンで決まりだ。
中華料理店で働く人たちはチャジャン麺をまかない食としてよく食べる。一度ソウル西小門(ソソムン)のペジェ飯店というところに行ったところ、支配人がお昼に大盛りを食べているのを見て、その店を無条件に愛したこともある。どれほど速く麺を飲み込んだのか、その素晴らしい食欲にその店のチャジャン麺の味を信じることになったのだ。私が知る限り、スパゲティ店やピザ屋、カムジャタンの店の従業員は自分が売る食べ物を特に食べようとしない。なぜ唯一チャジャン麺だけは飽きないのだろうか。血管に流れるという、病みつきになると表現するその食べ物であるゆえなのか。
何年か前に日本の長崎に行った。知ってのとおりこの街は、日本の開港の歴史があちこちに残っている。最近、韓国でも人気を呼んでいる長崎チャンポン発祥の地だ。この料理は100年余り前に中国人が初めて作って売るうちに長崎の象徴になった。チャイナタウンに行けば「オリジナル」チャンポンを味わうことができる。韓国チャンポンとは全く違っていたが、汁が牛乳のようにまろやかで辛くない。韓国人観光客はもっぱらこの料理を食べに長崎に立ち寄ったりもする。ところで驚くべきことに長崎に韓国式の辛いチャンポンが上陸した。広告コピーを見るとさらに「韓国の粉トウガラシを直輸入」したと自慢さえしている。日本で中国人が作って、韓国に渡ってきてヒットしたチャンポンが、すでに逆輸出されているとは驚くべきだとしか言えない。
ところでこの地域のいくつかの中華料理店で、チャジャン麺を食べられるということを知っている人は珍しい。2種類のスタイルがある。1つは伝統の北京式で、もう1つは意外にも韓国式だ。北京式は「会楽園」で出しており、韓国式は「西湖」という店で出している。北京の夏の代表の食事がまさにチャジャン麺だ。汁なしで軽く混ぜて食べやすいからだ。韓国のチャジャン麺にキュウリを切って入れるのもまさに北京から由来したものだ。北京式は中国味噌にデンプンをほとんど入れず適当に塩辛くてざっくばらんに麺と混ぜる。一方、韓国式はデンプンがソースになり食べ応えがあってやわらかい。チャジャン麺一杯でこのように東洋3国の歴史が乱麻のように絡み合っているようだ。
とにかく長崎の2種類のチャジャン麺の味はあまねく良かった。長崎で食べる2種類の味のチャンポン、そしてやはり2種類バージョンのチャジャン麺。この独特の並列が、韓国の食文化史を説明する核心的なカギにならないだろうかという気がした。とにかく今日の遅めのランチはチャジャン麺、もしくはチャンポンで決まりだ。
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