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【コラム】韓国の「カナダ・グース」の熱風が見せたもの

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「訂正します」とでもしなければならない事態だ。ちょうど1カ月前に書いたコラムで私は、あまりにも近頃90年代の歌や映画が再流行しているというが、ファッションではそんなことはないと予測した。したがってイーストバック・リュックサック、ドクターマーティン・ウォーカー、ゲス・GV2ジーンズのように、誰もかれもが同じ輸入ブランドを選び、これを同じようにコピーした商品が大手を広げる時代は過去の追憶に過ぎないと大言壮語した。それは好みもなしにほかの人々に追従しておしゃれをしていた90年代の「ファッション開発途上国」で広がることであり、ファッション韓流を夢見て世界の舞台に出て行こうとする韓国ファッションの地位とは合わないという根拠を当てた。

ところが完ぺきな誤報であった。この頃の「カナダ・グース」の熱風を見れば分かる。名前のとおりカナダのブランドであるこのパッディングは、マイナス30度の極寒も克服できる防寒服というマーケティングのおかげで1着100万ウォン(約9万7000円)を軽く超える価格でも人気を呼んでいる。3週間前、大型マートのセールが大変な混雑になる時から兆しが見えると、国内物量が消耗する速度ぐらいに「カナダ・グース」を買い求める姿がさらに必死の形相になりつつある。インターネットでの直接購買や共同購買はあたりまえで、カナダに住む親戚・友人に送ってほしいと頼む人などが出ているという話が次から次へと聞こえてくる。その渦中に、中高生の間では、(家計を圧迫して)親の腰を曲げる「新背筋ブレーカー」として登場し、実際ある母親からは息子がデモをするようにこの寒波にコートなしで登校するので買わずにはいられないという悩みも聞いた。

ここへさらに浮上しているのが「コリア・グース」だ。国内ブランドがそろって「カナダ・グ-ス」をそのままコピーして作った服を遠回しに言った話だが、何と19業者が類似デザインにロゴだけを変えて20万~30万ウォン台で販売している。カナダ・グ-ス側が警告状を送って訴訟も辞さないとの立場を表明した中で、さらにあきれたことに、一部のインターネットショッピングモールではロゴだけを別に交換する所もあるという。路上でよく見てきたカナダ・グースはどれも本物ではないという話で、その真偽についてはさておき、それでも着なければならないのかとため息しか出てこない。カナダ・グースが輸入ブランドなのででたらめに高いからというよりは、結局は私たちの衣服レベルというのは「君も着るから私も着る」という、好みよりも誇示が優先していた90年代から一歩も進めずにいるということを立証したためだ。


まさに60年前、ある新聞記事(東亜日報1953年7月16日付)は戦後の一部の層で、外国製の洋服が流行する社会像を描いた。「(前略) 『ビロード』『レ-ス』『マカオ生地』などが市場に氾濫して狭苦しい路地にまで広がり始め、今では『マカオ』産ではなく『ビロード』や『レ-ス』でなければ商売できない状況になった。(後略)」。ここでいうマカオ生地やビロード、レースをカナダ・グースにさえ変えれば、でも通る文章ではないだろうか。90年代への回帰どころか、初めから50年代にとどまっていたのかもしれない。

イ・トウン中央SUNDAY記者



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