張成沢(チャン・ソンテク)の失脚説が浮上したが、今後、南北関係はどうなるのだろうか。
北朝鮮専門家らは張成沢の不在は対南強硬立場を見せる軍部を牽制する勢力が消えたことを意味するだけに、南北緊張構図が強まる可能性があるという分析が出ている。
張成沢の肩書きの一つは党行政部長だ。党行政部は公安・監査機関を管掌する。韓国でいえば、警察と検察を指揮下に置いているということで、軍部への牽制が可能な非軍部機関の一つだ。しかし張成沢の没落は党行政部の植物化につながる可能性が高い。軍部内の強硬派を牽制する機能が弱まるという意味だ。
東国大のコ・ユファン教授(北朝鮮学)は「金正日(キム・ジョンイル)総書記は先軍政治をしたが、金正恩は李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長を粛清し、軍の影響を減らし、党を強化した」として「軍を牽制する行政部が無力化すれば、軍部の影響がまた強まる可能性がある」という見方を示した。
軍部の影響力拡大は北朝鮮の核問題解決に悪性の変数として作用することも考えられる。北朝鮮軍部は属性上、核の開発・保有による軍事力増強を強調しているからだ。最近イランが米国と核廃棄に合意し、北朝鮮が追い詰められたことも、逆に北朝鮮軍部を刺激する可能性がある。
慶南大のキム・グンシク教授(政治外交科)は「北の軍部は『強硬には超強硬で対応する』という基調を持つ」とし「軍部の影響が強化すれば、年初のような緊張構造が再現される可能性がある」と話した。この場合、「北の核問題を含め、南北間の信頼が進展すれば、より多様な経済協力を拡大できる」という朴槿恵(パク・クネ)大統領の韓半島信頼プロセス政策に支障が生じるというのが、専門家らの見解だ。
しかし北朝鮮の核問題は、金正恩が張成沢や李英鎬ら党と軍部の代表者を除去して独り立ちしているだけに、意外な選択をする可能性も排除できない。仁済大のキム・ヨンチョル教授(統一学)は「金正恩の選択は来年1月1日に政策の概要を明らかにする新年共同社説で見えてくるだろう」と述べた。
核問題のほか、離散家族再会、金剛山(クムガンサン)観光再開など、南北間の懸案に張成沢失脚説が及ぼす影響は制約的だという意見が多い。張成沢が南北関係に大きく関与していないという理由からだ。
中央大のイ・ジョンチョル教授(政治外交科)は「張成沢が2002年に経済視察団員としてソウルを訪問し、2000年と2007年の南北首脳会談夕食会場などで韓国代表団に顔を出したが、本来の業務ではなかった」とし「しかも昨年から国家体育指導委員長になった後、役割が大きく縮小されたとみられる」と述べた。
金正恩第1書記の後見役とし、さまざまな政策で一種の摂政をすると評価されてきたが、張成沢は金正恩の決定に大きな影響を及ぼせなかったとみられる。3月に北朝鮮が開城工業団地を閉鎖する際、張成沢は金正恩第1書記の叔母でもある夫人の金敬姫(キム・ギョンヒ)党書記に「それはよくないという言葉を(金正恩に)伝えてほしい」と要求したというエピソードは、南北関係で張成沢の位置づけが高くないことを示唆している。実際、張成沢の建議は受け入れられず、北朝鮮はその後「1号戦闘勤務態勢」命令を出すなど、軍事的緊張を高めた。
張成沢失脚説にもかかわらず、現在、北朝鮮軍は特別な軍事的動きを見せていないと把握されている。軍関係者は「北は2日から冬季訓練に入っているが、特異動向は把握されないでいる」とし「万一の場合に備えて監視態勢を強化している」と話した。
しかし北朝鮮は最近、西北島嶼接敵地域と休戦ライン一帯で240ミリ・122ミリロケット砲(多連装砲)を新型に入れ替え、茂島や長在島など14島にある砲陣地をコンクリートで覆う有蓋化を進めたと、軍当局者が明らかにした。
これを受け、韓国軍はこれまで局地戦挑発の可能性を中心に対応してきたが、北朝鮮体制の不安定性が高まっただけに全面戦争の可能性にも備えている。
北朝鮮専門家らは張成沢の不在は対南強硬立場を見せる軍部を牽制する勢力が消えたことを意味するだけに、南北緊張構図が強まる可能性があるという分析が出ている。
張成沢の肩書きの一つは党行政部長だ。党行政部は公安・監査機関を管掌する。韓国でいえば、警察と検察を指揮下に置いているということで、軍部への牽制が可能な非軍部機関の一つだ。しかし張成沢の没落は党行政部の植物化につながる可能性が高い。軍部内の強硬派を牽制する機能が弱まるという意味だ。
東国大のコ・ユファン教授(北朝鮮学)は「金正日(キム・ジョンイル)総書記は先軍政治をしたが、金正恩は李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長を粛清し、軍の影響を減らし、党を強化した」として「軍を牽制する行政部が無力化すれば、軍部の影響がまた強まる可能性がある」という見方を示した。
軍部の影響力拡大は北朝鮮の核問題解決に悪性の変数として作用することも考えられる。北朝鮮軍部は属性上、核の開発・保有による軍事力増強を強調しているからだ。最近イランが米国と核廃棄に合意し、北朝鮮が追い詰められたことも、逆に北朝鮮軍部を刺激する可能性がある。
慶南大のキム・グンシク教授(政治外交科)は「北の軍部は『強硬には超強硬で対応する』という基調を持つ」とし「軍部の影響が強化すれば、年初のような緊張構造が再現される可能性がある」と話した。この場合、「北の核問題を含め、南北間の信頼が進展すれば、より多様な経済協力を拡大できる」という朴槿恵(パク・クネ)大統領の韓半島信頼プロセス政策に支障が生じるというのが、専門家らの見解だ。
しかし北朝鮮の核問題は、金正恩が張成沢や李英鎬ら党と軍部の代表者を除去して独り立ちしているだけに、意外な選択をする可能性も排除できない。仁済大のキム・ヨンチョル教授(統一学)は「金正恩の選択は来年1月1日に政策の概要を明らかにする新年共同社説で見えてくるだろう」と述べた。
核問題のほか、離散家族再会、金剛山(クムガンサン)観光再開など、南北間の懸案に張成沢失脚説が及ぼす影響は制約的だという意見が多い。張成沢が南北関係に大きく関与していないという理由からだ。
中央大のイ・ジョンチョル教授(政治外交科)は「張成沢が2002年に経済視察団員としてソウルを訪問し、2000年と2007年の南北首脳会談夕食会場などで韓国代表団に顔を出したが、本来の業務ではなかった」とし「しかも昨年から国家体育指導委員長になった後、役割が大きく縮小されたとみられる」と述べた。
金正恩第1書記の後見役とし、さまざまな政策で一種の摂政をすると評価されてきたが、張成沢は金正恩の決定に大きな影響を及ぼせなかったとみられる。3月に北朝鮮が開城工業団地を閉鎖する際、張成沢は金正恩第1書記の叔母でもある夫人の金敬姫(キム・ギョンヒ)党書記に「それはよくないという言葉を(金正恩に)伝えてほしい」と要求したというエピソードは、南北関係で張成沢の位置づけが高くないことを示唆している。実際、張成沢の建議は受け入れられず、北朝鮮はその後「1号戦闘勤務態勢」命令を出すなど、軍事的緊張を高めた。
張成沢失脚説にもかかわらず、現在、北朝鮮軍は特別な軍事的動きを見せていないと把握されている。軍関係者は「北は2日から冬季訓練に入っているが、特異動向は把握されないでいる」とし「万一の場合に備えて監視態勢を強化している」と話した。
しかし北朝鮮は最近、西北島嶼接敵地域と休戦ライン一帯で240ミリ・122ミリロケット砲(多連装砲)を新型に入れ替え、茂島や長在島など14島にある砲陣地をコンクリートで覆う有蓋化を進めたと、軍当局者が明らかにした。
これを受け、韓国軍はこれまで局地戦挑発の可能性を中心に対応してきたが、北朝鮮体制の不安定性が高まっただけに全面戦争の可能性にも備えている。
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