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南大門欠陥復元1911日の備忘録<上>職人は無力だった(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「国宝1号」崇礼門(スンネムン、南大門)の復元工事はなぜ問題が発生したのだろうか。中央日報は先月14日から30日まで文化財庁・施工者・職人・作業員など崇礼門復元に参加した人たちにインタビューした。また2008年2月10日の崇礼門火災後、計34回開かれた復旧諮問団会議録を単独入手し、分析した。

取材の結果、崇礼門復元工事の問題は▼黙殺された職人の専門性と失われた職人意識▼無理な工期▼過度な広報--などが複合的に重なって生じたといえる。「国宝1号」崇礼門が「欠陥1号」建築物になった背景についての深層企画記事を3回にわけて掲載する。崇礼門火災から復元、欠陥工事という批判が起きるまで1911日間の備忘録だ。

「剥落現象を防ぐためには、にかわと合成樹脂接着剤(アクリルエマルジョン)を混ぜて使用しなければいけない」。2009年11月30日、色彩担当のホン・チャンウォンさんはこうした内容の提案書を文化財庁に提出した。ホンさんは10日後の12月10日、崇礼門の色彩の責任者に選ばれた。しかしこの意見は採択されなかった。崇礼門の色は竣工5カ月目で剥がれ、欠陥工事という批判が続いた。


中央日報が崇礼門工事の関係者にインタビューをし、関連会議録などを入手して検討した結果、崇礼門の欠陥工事は、職人の専門性を無視した諮問団と、これを受動的に受け入れる失われた職人意識などが複合的に作用した結果だった。

2012年6月の塗装が始まる直前まで、崇礼門復旧諮問団会議は何度か激論を繰り返した。ホンさんは会議で「にかわだけを使用する場合、水で色が落ち、見た目がよくないうえ、雨期の気温が高い時に腐敗したり変色して外観が損われる可能性が高い」と問題を提起した。また「見栄えよくにかわでしておいて、梅雨になると色が落ちれば、国民はどう思うだろうか」とし「にかわとアクリルエマルジョンを混ぜて使用しなければいけない」と主張した。

一方、崇礼門復旧諮問団諮問委員の多数は伝統方式でにかわだけを使用することを主張した。中央日報が入手した復旧諮問団6次技術分科会議録(2010年3月11日)には次のような部分が出てくる。この日の会議には▼パク・オンゴン諮問団技術委員長ら諮問委員(8人)▼チェ・ジョンドク崇礼門復旧団長ら文化財庁関係者(8人)▼シン・ウンス大木匠ら職人(4人)--が参加した。

Aさん=「色彩担当のホンさんが自然接着剤(にかわ)を使用すれば、すぐに色が剥がれるという懸念を表した」

Bさん=「にかわなど伝統接着剤を使用するべきだという保存処理業界の問題提起が多い」



南大門欠陥復元1911日の備忘録<上>職人は無力だった(2)

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