崇礼門(スンネムン、南大門)の丹青がはがれている実態が明らかなり、復元作業全体への批判が激しい。めちゃくちゃになった丹青と共に、全体の雰囲気もおかしくなったという指摘がある。
雰囲気が変になった理由は何であれ、丹青がなぜこのような状況になったのか4つの大きな争点に分けて調べてみる。
「南側の広場から崇礼門、丹青の印象を見よ。喪家の雰囲気だ。希望的ではない。色の選択が間違って発色がしっかりしていない。丹青の色が落ちてはいけないのは後日の問題で、全体の色感が暗くじめじめしている」。
崇礼門調査に明智(ミョンジ)大学チェ・ミョンユン名誉教授(66)、伝統彩色専門家のチョ・チュンジャ画家(56)とキム・ホソク教授(56)の3人が全く同じ評をした。
朝鮮は性理学(儒学の一学説)の国であった。新しい理念で新しい時代を切り開こうとした朝鮮王朝は、崇礼門に国のきらびやかな光と堂々とした姿を込めようとした。それで威容のある門楼をたてて華やかに丹青を施した。朝廷は自信感を表わし、民には希望を呼び起こす場所であった。華やかな丹青の背景色である青緑色は青くて新鮮な春の光だ。そのような象徴性を持つ崇礼門が思いもよらず燃えた後、復元されたが、さらに暗くじめじめとした印象になったのだ。
燃える前の丹青と新しい丹青の発色を比較できる所を探した。過去の丹青は色あせてもきれいで透明な緑色なのに、新しい丹青はどんよりして薄黒い緑色だ。伝統彩色家のチョ・チュンジャ画伯は「色を塗る時は、なだめすかしながら行わなければならない。近くで詳しく見てみると土台が色を受け取る準備ができていなかったのに何度も上塗りだけをしたのが分かる。重苦しい。伝統の天然色彩はきれいで透明で人心を動かす」と話した。これに関して、顔料を供給した企業のA社長は「丹青色がますます暗く汚れてきて子供たちさえ丹青をひどいと感じる実情になった」と話した。しかし文化財庁のパク・ワンヒ修理技術課長は「そういう話は知っている」として「軒の部分に集まる湿気を防ぐため椿油を塗ったが、そのために暗くなった。しかしこれは文献に基づいたもの」と反論した。
すると顔料はどのようなものだったのだろうか。まず、日本製品だという部分で怒りを覚える。今回の丹青作業には日本産の顔料12種が輸入された。群青・三青・青緑・濃緑・朱紅・長丹・黄・荷葉・黄土・鉛白・胡粉・墨汁がある。輸入先は中川社だ。キム・ホソク教授は「これらは白い土や貝粉に化学染料を混ぜたもので天産染料ではない」として「1900年代の日本人の美感に合うよう明度彩度を調節して開発した60種類の色の一部だが、質が良くなくて退色・変色してくすんでいる」と批判した。天然色彩を使わなければいけなかったということだ。
韓国内で製品調達の筋が切れたとしても実際に韓国内で探せる色がある。専門家たちは赤色は済州道(チェジュド)の溶岩である玄武岩から出る赤い玄武岩や、鬱陵島(ウルルンド)産の赤色が使えるといった。緑青色は、真ちゅうの器を塩水に漬けておけば出てくるヒ素サビ水で作ったり、植物から抽出できる。黄色は黄土や花粉、金粉を、黒い色は煤煙で作れば良い。
A氏は「文化財庁がにかわを使用できる伝統色彩を使うことに決めて、日本産の水干彩(白土と胡粉を混ぜて作った顔料)を輸入するしかなかった」として「6カ月程度待っていたら、顔料の価格が5倍以上高くなり6億ウォン(約5500万円)はかかるが、国産の天然色彩を使うことができただろう」と話した。しかし文化財庁のパク・ワンヒ課長は「石間朱だけは国内で購入し、ほかの顔料は昔も日本や中国から輸入していた。輸入が避けられない面がある」と話した。
(中央SUNDAY第345号)
丹青はがれた国宝1号南大門…日本製顔料の使用も自尊心にダメージ(2)
雰囲気が変になった理由は何であれ、丹青がなぜこのような状況になったのか4つの大きな争点に分けて調べてみる。
「南側の広場から崇礼門、丹青の印象を見よ。喪家の雰囲気だ。希望的ではない。色の選択が間違って発色がしっかりしていない。丹青の色が落ちてはいけないのは後日の問題で、全体の色感が暗くじめじめしている」。
崇礼門調査に明智(ミョンジ)大学チェ・ミョンユン名誉教授(66)、伝統彩色専門家のチョ・チュンジャ画家(56)とキム・ホソク教授(56)の3人が全く同じ評をした。
朝鮮は性理学(儒学の一学説)の国であった。新しい理念で新しい時代を切り開こうとした朝鮮王朝は、崇礼門に国のきらびやかな光と堂々とした姿を込めようとした。それで威容のある門楼をたてて華やかに丹青を施した。朝廷は自信感を表わし、民には希望を呼び起こす場所であった。華やかな丹青の背景色である青緑色は青くて新鮮な春の光だ。そのような象徴性を持つ崇礼門が思いもよらず燃えた後、復元されたが、さらに暗くじめじめとした印象になったのだ。
燃える前の丹青と新しい丹青の発色を比較できる所を探した。過去の丹青は色あせてもきれいで透明な緑色なのに、新しい丹青はどんよりして薄黒い緑色だ。伝統彩色家のチョ・チュンジャ画伯は「色を塗る時は、なだめすかしながら行わなければならない。近くで詳しく見てみると土台が色を受け取る準備ができていなかったのに何度も上塗りだけをしたのが分かる。重苦しい。伝統の天然色彩はきれいで透明で人心を動かす」と話した。これに関して、顔料を供給した企業のA社長は「丹青色がますます暗く汚れてきて子供たちさえ丹青をひどいと感じる実情になった」と話した。しかし文化財庁のパク・ワンヒ修理技術課長は「そういう話は知っている」として「軒の部分に集まる湿気を防ぐため椿油を塗ったが、そのために暗くなった。しかしこれは文献に基づいたもの」と反論した。
すると顔料はどのようなものだったのだろうか。まず、日本製品だという部分で怒りを覚える。今回の丹青作業には日本産の顔料12種が輸入された。群青・三青・青緑・濃緑・朱紅・長丹・黄・荷葉・黄土・鉛白・胡粉・墨汁がある。輸入先は中川社だ。キム・ホソク教授は「これらは白い土や貝粉に化学染料を混ぜたもので天産染料ではない」として「1900年代の日本人の美感に合うよう明度彩度を調節して開発した60種類の色の一部だが、質が良くなくて退色・変色してくすんでいる」と批判した。天然色彩を使わなければいけなかったということだ。
韓国内で製品調達の筋が切れたとしても実際に韓国内で探せる色がある。専門家たちは赤色は済州道(チェジュド)の溶岩である玄武岩から出る赤い玄武岩や、鬱陵島(ウルルンド)産の赤色が使えるといった。緑青色は、真ちゅうの器を塩水に漬けておけば出てくるヒ素サビ水で作ったり、植物から抽出できる。黄色は黄土や花粉、金粉を、黒い色は煤煙で作れば良い。
A氏は「文化財庁がにかわを使用できる伝統色彩を使うことに決めて、日本産の水干彩(白土と胡粉を混ぜて作った顔料)を輸入するしかなかった」として「6カ月程度待っていたら、顔料の価格が5倍以上高くなり6億ウォン(約5500万円)はかかるが、国産の天然色彩を使うことができただろう」と話した。しかし文化財庁のパク・ワンヒ課長は「石間朱だけは国内で購入し、ほかの顔料は昔も日本や中国から輸入していた。輸入が避けられない面がある」と話した。
(中央SUNDAY第345号)
丹青はがれた国宝1号南大門…日本製顔料の使用も自尊心にダメージ(2)
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