「中国は今(外交戦略の)中心軸を北朝鮮から韓国側に移し始めた。朴槿恵(パク・クネ)大統領を国賓として招待し、金正恩(キム・ジョンウン)を招待しないのは強力な信号だった。歴史の本を書く場合、中国の習近平国家主席が北京で朴大統領と首脳会談をする時、金正恩第1書記は平壌(ピョンヤン)で(元米バスケットスターの)デニス・ロッドマンと一緒に家にいたという事実を必ず記録しなければならないだろう」。
6カ国協議の米国代表を務めたクリストファー・ヒル元米国務次官補(東アジア・太平洋担当)の言葉だ。ヒル元次官補は米国の「アジア回帰(Pivot to Asia)」概念を借りて、中国が韓半島外交の軸を北から南へ移していると診断した。中国版「Pivot to South Korea」という説明だ。
対外経済政策研究院・企画財政部などが主催・後援した「ユーラシア時代の国際協力」カンファレンスに出席するため訪韓したヒル元次官補に18日、ソウル新羅ホテルで中央日報とコリア中央デイリーが共同インタビューした。駐韓米国大使、ポーランド・イラク大使を歴任したヒル元次官補は2010年から米デンバー大国際関係大学院学長として在職している。
--盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に駐韓米国大使(2004-2005年)だった。記憶に残っていることは。
「韓米関係がお互い行き違いを見せた時期に赴任した。当時(韓米同盟は)50周年にもなったが、結婚誓約をもう一度しなければいけないような状況だった。ブッシュ大統領と盧武鉉大統領の間に共通の言語を探すのが当初はやさしくなかったが、結局、前に進めた。それは相互尊重、共通の価値と利益に基づく関係だったからこそ可能だった」
--第1次北核危機当時にジュネーブ合意(1994年)を引き出したロバート・ガルーチ元米国務次官補は、20年間の北核解決努力が失敗したと指摘した。
「我々の失敗ではなく、北朝鮮の持続的な失敗だった。北朝鮮はまだ国際社会の一員になっていない。北朝鮮の失敗を我々の失敗と考えるのは公正でない評価だ。6カ国協議で米国は中国と意味のある対話を始めたし、協力パターンを持つことになった。国際舞台で韓国の地位も上がったため、これらすべてのものが成功だ。今も北朝鮮に門戸を開くべきだが、北朝鮮も核を保有していれば尊敬を受けられず、容認もされないということを知らなければいけない」
--2005年に合意した9・19共同声明を導き出したが、この声明は今も有効なのか。
「そうだ。共同声明は聖書やコーランではないが、北朝鮮の核問題解決法だけでなく、北東アジア地域がどのように一緒に役割を果たし、一つに結びつくかについて広範囲な原則も盛り込まれている。問題は共同声明の内容をどう実践するかだ。北朝鮮はゼロから再出発できると考えないほうがよい。対話の前提条件ではなく、北朝鮮も知っている常識の問題だ」
--2007年6月の平壌訪問当時のエピソードは。
「北朝鮮側は私の訪問を自分たちに対する尊重と受け止めた。当時、平壌空港に海外メディアが待っていて、どのような表情を見せるか悩んだ。深刻な表情をすれば(北朝鮮に)おじけづいたように見えるため、ただ微笑んでいた。ところが当時ワシントンでは、私が平壌で笑う姿を見て、あたかも私がディズニーランドにでも行ったかのように喜んでいるという解釈もあった」
--韓米同盟は今もよい状態だと考えるか。
「過去60年は蜜月期(honeymoon)だけではなかった。難しい時期もあったが、我々はその瞬間を尊重しなければいけない。逆境を克服した能力を見ながら私は両国関係を確信している」
--朴槿恵政権に入り、中国と非常に親密になったことを米国はどう見ているのか。
「前向きな視点で見る。最終的に北朝鮮問題を解決するためにも良好な韓中関係が必要だ。韓米関係が緊密であるため、親密になった韓中関係が韓米同盟を委縮させることはないだろう。韓米同盟を高校生の恋愛(のような未成熟なもの)と混同するのはやめよう。韓国が中国とつきあうからといって米国が心配することがあるだろうか」
--日本がアジア国家を侵略した過去の歴史を十分に反省していない状況で、米国が日本の集団的自衛権を支持するのは不適切ではないのか。
「日米同盟は米国と日本に利益だが、同時に他の国々にも利益となる。ドイツとポーランドが今日、最高の関係を結んでいることをよく見てみよう」
--米国のアジア回帰は中国包囲戦略なのか。
「世界の平和と経済の中心がアジアという事実を米国が認めたという意味だ。中国を封じ込める概念と誤解され、中国の民族主義に火をつけた。しかし米中は一緒に進む余地がある」
6カ国協議の米国代表を務めたクリストファー・ヒル元米国務次官補(東アジア・太平洋担当)の言葉だ。ヒル元次官補は米国の「アジア回帰(Pivot to Asia)」概念を借りて、中国が韓半島外交の軸を北から南へ移していると診断した。中国版「Pivot to South Korea」という説明だ。
対外経済政策研究院・企画財政部などが主催・後援した「ユーラシア時代の国際協力」カンファレンスに出席するため訪韓したヒル元次官補に18日、ソウル新羅ホテルで中央日報とコリア中央デイリーが共同インタビューした。駐韓米国大使、ポーランド・イラク大使を歴任したヒル元次官補は2010年から米デンバー大国際関係大学院学長として在職している。
--盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に駐韓米国大使(2004-2005年)だった。記憶に残っていることは。
「韓米関係がお互い行き違いを見せた時期に赴任した。当時(韓米同盟は)50周年にもなったが、結婚誓約をもう一度しなければいけないような状況だった。ブッシュ大統領と盧武鉉大統領の間に共通の言語を探すのが当初はやさしくなかったが、結局、前に進めた。それは相互尊重、共通の価値と利益に基づく関係だったからこそ可能だった」
--第1次北核危機当時にジュネーブ合意(1994年)を引き出したロバート・ガルーチ元米国務次官補は、20年間の北核解決努力が失敗したと指摘した。
「我々の失敗ではなく、北朝鮮の持続的な失敗だった。北朝鮮はまだ国際社会の一員になっていない。北朝鮮の失敗を我々の失敗と考えるのは公正でない評価だ。6カ国協議で米国は中国と意味のある対話を始めたし、協力パターンを持つことになった。国際舞台で韓国の地位も上がったため、これらすべてのものが成功だ。今も北朝鮮に門戸を開くべきだが、北朝鮮も核を保有していれば尊敬を受けられず、容認もされないということを知らなければいけない」
--2005年に合意した9・19共同声明を導き出したが、この声明は今も有効なのか。
「そうだ。共同声明は聖書やコーランではないが、北朝鮮の核問題解決法だけでなく、北東アジア地域がどのように一緒に役割を果たし、一つに結びつくかについて広範囲な原則も盛り込まれている。問題は共同声明の内容をどう実践するかだ。北朝鮮はゼロから再出発できると考えないほうがよい。対話の前提条件ではなく、北朝鮮も知っている常識の問題だ」
--2007年6月の平壌訪問当時のエピソードは。
「北朝鮮側は私の訪問を自分たちに対する尊重と受け止めた。当時、平壌空港に海外メディアが待っていて、どのような表情を見せるか悩んだ。深刻な表情をすれば(北朝鮮に)おじけづいたように見えるため、ただ微笑んでいた。ところが当時ワシントンでは、私が平壌で笑う姿を見て、あたかも私がディズニーランドにでも行ったかのように喜んでいるという解釈もあった」
--韓米同盟は今もよい状態だと考えるか。
「過去60年は蜜月期(honeymoon)だけではなかった。難しい時期もあったが、我々はその瞬間を尊重しなければいけない。逆境を克服した能力を見ながら私は両国関係を確信している」
--朴槿恵政権に入り、中国と非常に親密になったことを米国はどう見ているのか。
「前向きな視点で見る。最終的に北朝鮮問題を解決するためにも良好な韓中関係が必要だ。韓米関係が緊密であるため、親密になった韓中関係が韓米同盟を委縮させることはないだろう。韓米同盟を高校生の恋愛(のような未成熟なもの)と混同するのはやめよう。韓国が中国とつきあうからといって米国が心配することがあるだろうか」
--日本がアジア国家を侵略した過去の歴史を十分に反省していない状況で、米国が日本の集団的自衛権を支持するのは不適切ではないのか。
「日米同盟は米国と日本に利益だが、同時に他の国々にも利益となる。ドイツとポーランドが今日、最高の関係を結んでいることをよく見てみよう」
--米国のアジア回帰は中国包囲戦略なのか。
「世界の平和と経済の中心がアジアという事実を米国が認めたという意味だ。中国を封じ込める概念と誤解され、中国の民族主義に火をつけた。しかし米中は一緒に進む余地がある」
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