４日（現地時間）「サムスン・モバイル・アンパック」行事が開かれたドイツ・ベルリンのテンポドローム公演場。申宗均（シン・ジョンギュン）サムスン電子ＩＴ・モバイル（ＩＭ）部門社長（５７）が新型スマートフォン「ギャラクシーノート３」を紹介している間、大型電光掲示板に四角形の画面が付いた時計の写真が登場すると、世界から集まった観覧客と取材陣の約２６００人が一斉に拍手と歓声を送った。一部の人はしばらく起立拍手を続けた。スマートウォッチ「ギャラクシーギア」が実体を現した瞬間だった。

アップルがｉＰｈｏｎｅとｉＰａｄでスマート機器の大衆化をリードする間“ファストフォロワー”にとどまっていたサムスンが、“ファーストムーバー”に変身するために出したのがギャラクシーギアだ。専門家は、ギャラクシーギアで“着る（ウェラブル）コンピューター”市場をリードしようとするサムスンの意図が成功するか、話題だけで終わるかは未知数という反応だ。

アンパック行事後に体験場所で見たギャラクシーギアは１．６３インチのスーパーＡＭＯＬＥＤディスプレーに時計をはじめ、電話、メッセージ、天気など１０種類のメニュー画面を提供する。ギャラクシーギアでメッセージやメールの受信を確認した後、スマートフォンを取り出せば、自動で連動され、該当メッセージやメール全文がスマートフォン画面に表示される。バンドの外側には１９０万画素のカメラが付いている。ホームで時計の画面を上から下に動かせば、カメラ待機画面が表示され、もう一度押せば撮影できる。逃しやすい場面も速やかに撮影できるのが長所だ。


小さな画面の短所を補完するため、音声認識機能「Ｓボイス」も付けている。言葉で必要な機能を話せば自動で機能を実行してくれる。「Ｔａｋｅ　ａ　Ｐｉｃｔｕｒｅ（写真を撮れ）」と言えば、すぐにカメラ待機画面が表示される。重要な対話を保存し、その音声を自動でテキストに変換する機能もある。

サムスン電子の関係者は「スマートフォンを常に持っておく必要がなく、機能を実行する時も手が必要ない“ハンドフリー”がギャラクシーギアの最も大きな長所」とし「ジムで運動をしている時、自転車に乗っている時など、さまざまな状況で使用できる」と説明した。

バッテリーは１回の充電で２５時間ほど使用できる。ただ、女性が着用するには大きく、１０分以上着用すれば７３．８グラムの重さがやや負担に感じる。黒・オレンジ・黄など６種類のカラーがある。価格は２９９ドル水準で、２５日から世界で販売される。韓国では４０万ウォン線で販売される見込みだ。

ギャラクシーギアに対する評価は分かれる。国内外のネットユーザーは「期待以上によくできている」という反応から、「ただの３０万ウォンの電子時計のようだ」など、さまざまな反応を見せている。

専門家は慎重な姿勢を見せた。ストラテジーアナリティックス（ＳＡ）のエグゼクティブ・ディレクター、ニール・モーストン氏は「サムスンをはじめとする情報技術（ＩＴ）企業が今年発表する第１世代スマートウォッチのグローバル売上高は、短期的に見るとそれほど多くはないだろう」と診断した。

ギャラクシーギアはそれ自体に通信機能がなく、ギャラクシーノート３と１０メートル以内の距離でのみ多くの機能を使用できる。このため発売初期はあまり売れないという予想が多い。申社長も「ギャラクシーノート３が１０台売れる間、ギャラクシーギアの販売は２、３台になるだろう」と予想した。

サムスン電子がこの日発表した「ギャラクシーノート３」は、アナログ時代に使用した「ノート」に対する懐かしさを最もよくデジタル化している。スマートフォンでは初めて背面を革形態で処理し、電子機器ではなくダイアリーという感じを与える。携帯しやすいよう大きく、薄く、軽くなった。ギャラクシーノート２より０．２インチ大きい５．７インチのフルＨＤスーパーＡＭＯＬＥＤディスプレーを搭載し、３２００ｍＡｈバッテリーを搭載したが、厚さは８．３ミリと薄い。重さも１６８グラムとやや軽くなった。

ギャラクシーノート１０．１はギャラクシーノート３の「大型バージョン」。１０．１インチのスーパークリアＬＣＤディスプレーを搭載、ステレオサウンドシステムを適用し、動画などマルチメディア鑑賞に最適化している。

申社長は「より大きなスクリーンと進化したＳペンが搭載されたギャラクシーノート３と新しいファッションアイコンとなるギャラクシーギアで、これまでとは違った経験を提供する」と話した。

◆ＩＦＡ開幕＝欧州最大の国際電子展示会（ＩＦＡ）２０１３」が６日、ドイツ・ベルリンで開幕する。ＩＦＡは米国の消費者家電博覧会ＣＥＳ、スペインで開催される世界最大モバイル展示会ＭＷＣとともに世界３大電子博覧会に選ばれる。

ＬＧ電子は今回のＩＦＡで「Ｇ　Ｐａｄ８．３」を公開する。これに先立ち４日には戦略スマートフォン「Ｇ２」の欧州公開イベントを開いた。ＬＧ電子は「どの瞬間にも新しい可能性が開かれる（Ｉｔ’ｓ　Ａｌｌ　Ｐｏｓｓｉｂｌｅ　ｗｉｔｈ　ＬＧ）」をスローガンに、２６５７平方メートル規模のブースで有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ） テレビ、超高画質（ウルトラＨＤ）テレビをはじめ次世代高画質ディスプレーなど約４５０製品を展示する。

名家の再建を目指す日本のソニーはスマートフォン「Ｘｐｅｒｉａ　ｉ１」を公開した。２０００万画素カメラと防水機能が特徴。