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映画『スパイ』のダニエル・ヘニー、コメディ抑え魅力的な悪党に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

俳優ダニエル・ヘニー(34)

魅力的な男性俳優ダニエル・ヘニー(34)が『スパイ』(5日封切り、イ・スンジュン監督)の悪党ライオンとして6年ぶりに韓国映画に帰ってきた。『スパイ』は最高のスパイ、チョルス(ソル・ギョング)が作戦を遂行中、彼の職業を知らない妻ヨンヒ(ムン・ソリ)が巻き込まれてしまうことから展開されるアクションコメディだ。ライオンは夫の頻繁な出張に腹を立てた妻ヨンヒの前に、童話から飛び出してきた王子様のように登場して胸をときめかせ、チョルスに銃口を突きつける。ダニエル・ヘニーのロマンチックなイメージを少しだけひねったキャラクターだ。

--コメディなのにライオンはシリアスだ。

「コメディだと、皆がコメディ演技をすればかえってつまらない。まともな人物が1人必要だ。ライオンが悪役という点に引かれた。優しい役はいつも優しく行動するべきだが、悪役は何でもできるから」


--普段からロマンチックなイメージが強いが。

「ドラマデビュー作『私の名前はキム・サムスン』(2005)のおかげだ。当時ニューヨークで演劇をしていて突然、韓国の企画会社から連絡をもらって出演することになった。とんでもない幸運だったが韓国で演じる準備ができていなかったのは事実だ。韓国語を『アンニョンハセヨ(こんにちは)』から習わなければならなかったから。私がデビュー作を選べたとすればコメディから始めただろう。普段でも人々を驚かせるようないたずらをしたり冗談を言ったりするのが好きで、周囲から間抜けだという声もたびたび聞く」

--映画『マイ・ファーザー』(2007)、ドラマ『逃亡者PLAN B』(2010)以後、初の韓国作品だ。

「それまでハリウッドではテレビシリーズ『スリー・リバーズ~命をつなぐ熱き医師たち』、映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などに出演した。昨年は韓中合作コメディ映画『上海コーリング』で上海国際映画祭の新人俳優賞とニューポートビーチ映画祭演技賞も受賞した」

--韓国での活動にさらに注力する予定はないか。

「幼いころ米国でテレビドラマを見ても、私と似たアジア人は1人もいなかった。なぜか出てきてもたいていは英語が完ぺきでないキャラクターを演じていた。今でも米国で俳優を夢見るアジア系の子供はあまりいない。テレビで役の手本を見られないためだ。白人女優らとロマンスを演じるアジア系俳優といえばキアヌ・リーブスぐらいだ。ハリウッドでアジア系俳優の新しい手本になりたい」

--容貌のおかげで人種的偏見をなくすのに有利だと思うが。

「実はそれが問題だ。『君のオーディションはよかった。ところで主演俳優より君がハンサムではいけない』という話を本当に多く聞いた。ハリウッドではまだ助演だと制限が多い。そうした点ではテレビシリーズが映画よりも出演しやすい。登場人物が多くて多様だから」

--今回の映画にも韓国語のセリフがあったが、韓国語を完全にものにして韓国人の役をしてみるつもりは。

「今も韓国語で友人らと気楽に対話できるが、演技は全く違う問題だ。セリフと感情と身振りをすべて合わせなければならないから。私の韓国語が変なために作品に害を及ぼすようなら本当に失礼だ。ところで私も韓国語で演技ができるという考えが昨年から出てきた。簡単な役から始めて徐々に難しい役に挑戦できればいい」

--なぜ考えが変わったのか。

「年を取ったからかもしれない(笑)。振り返ってみれば私はあらゆる事を韓国で学んだ。俳優として経歴を積んだところも、私自身と演技に対するあらゆる事を学んだところも韓国だ。ハリウッドで仕事をすることができたのも『マイ・ファーザー』で可能性を認められたおかげだ。だからこそ韓国俳優としてハリウッドで韓国の人々が自慢できるほどの人になりたい」



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