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【社説】放射能問題の安全より五輪招致が重要なのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本の国会が福島第1原発の放射能汚染水流出問題に対する審議を国際オリンピック委員会(IOC)総会後に延期することにした。7-10日にブエノスアイレスで開催されるIOC総会を控え、国会で汚染水問題の深刻性と政府の遅い対応をめぐる攻防が繰り広げられれば、2020年夏季五輪の招致に支障をきたすかもしれないという判断のためだという。衆院経済産業委員会は、安倍政権が今週中に出す汚染水対策を見た後、今月中旬に汚染水流出問題を議論する方向で日程を調整した。事の先後と軽重を考えない安易で無責任な決定だ。日本の政治家の目には放射能に対する安全よりも五輪招致がもっと重要なのだろうか。

汚染水流出事態が手の施しようもなく悪化している。タンク周辺の4カ所でまた高い放射線量が検出された。先月300トンの汚染水漏れが確認されたタンクとは違うところだ。タンク下段の1カ所では1時間当たり1800ミリシーベルトの放射線量が測定された。4時間露出すれば死亡するほどの量だ。タンク付近の井戸の地下水を検査した結果、6カ月前に比べてトリチウム(三重水素)の濃度が最高15倍まで増えたことも明らかになった。

放射能に汚染された地下水の海洋流出を防ぐために設置した遮断壁が無用のものとなり、一日300トンの低濃度汚染水が太平洋に流れているが、東京電力は対応できていない。タンクの問題はさらに深刻だ。冷却水として使われた高濃度汚染水を保管するため原発周辺に約1000基のタンクを設置したが、うち一部で汚染水の流出が確認され、波紋が広がっている。


汚染水流出は日本だけの問題ではない。世界の海洋環境と生態系に悪影響を及ぼす重大な問題だ。今は期限内に汚染水問題を解決できなければ五輪招致を自主的に放棄するという覚悟を示すタイミングであり、五輪招致にこだわる時期ではない。安倍政権は汚染水流出問題を国家的な非常事態と認識し、対策の準備に全力を傾けるべきだ。



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