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米・英、イラク戦争のトラウマ…シリア空襲延期か

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
秒読み段階に入っていたシリア空襲がいくつかの暗礁にぶつかった。29日(現地時間)に予想されていた「Dデー」も来週初めに延期されるという見方も出ている。空襲延期論のきっかけは潘基文(バン・ギムン)国連事務総長が作ったと、ニューヨークタイムズは伝えた。

潘事務総長は28日、オランダ・ハーグで開いた記者会見で、「シリア現場の国連調査団が任務を完遂するためにはあと4日間必要だ」と述べた。この日ニューヨークで開かれた国連安全保障理事会で英国が提出したシリア軍事制裁決議案がロシアと中国の反対で行き詰まった後に出てきた発言だった。国連調査団は31日午前にシリアで現場調査を終えて撤収する予定だ。

潘総長の発言は、米国・英国の政界にイラク戦争のトラウマを呼び起こした。当時、米・英はサダム・フセインが「大量破壊兵器(WMD)」を確保したという結論を根拠に戦争に飛び込んだ。しかしイラクで大量破壊兵器は発見されず、国際社会の批判を浴びて体面を汚した。


当初シリア空襲に賛成した英国の野党・労働党が潘事務総長の発言後、「国連調査団の調査結果を見守ろう」という立場に旋回し、キャメロン首相も一歩後退した。

オバマ大統領も野党の共和党から空襲開始前に議会の同意を受けるべきだという圧力に直面した。共和党のベイナー下院議長がこの日、オバマ大統領に送った書簡には、18人の民主党議員を含む116人の下院議員が署名した。

一方、シリア政府も遅延戦術に力を注いでいる。シリアのジャファリ国連大使は反乱軍が先週3回また化学兵器を使用したという証拠を含む資料を国連に提出した。国連調査団の調査活動を延長させ、西側の空襲をできる限り遅らせようという狙いだ。ロシア・イランもシリア政府側の援護に動き出した。特にイランは西側がシリアを空襲すればイスラエルに報復攻撃を加えると脅迫した。シリア空襲が中東戦争に飛び火する可能性があると脅したのだ。

これに対抗し、オバマ政権も世論に働きかけている。早ければ29日にシリア政権が化学兵器を使用したという証拠を公開するとみられる。オバマ大統領は28日、「シリア政府の化学兵器使用は疑いの余地がない」と述べた。また「米国は独自の証拠で判断し、独自のスケジュールに基づいて行動する」と明らかにした。英国などの支援がなくとも、必要なら直ちに空襲に動く可能性があることを示唆したのだ。

フィナンシャルタイムズは、米国がオバマ大統領のスウェーデン訪問(3日)前にシリアへの軍事措置を終えることを望んでいる、と分析した。オバマ大統領は5、6日にロシア・サンクトペテルブルクで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する前、スウェーデンを訪問する。西側のシリア攻撃に強く反対するロシアのプーチン大統領に会う前にシリア問題を締めくくりたいという考えだ。



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