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共同体生かす美術…コミュニティアートの勝利、香川県直島(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

日本の香川県にある豊島。ここ豊島美術館にはないものが多い。柱も屋根も、さらには作品もない。この空間では開放された天井から雨が降って、風やカエル、草に群がる虫たちが好きなように出入りする。そこで会うのは自然の一部である私自身だ。(写真=福武財団)

美術は、衰退した地域社会を変化させることにも積極的に取り組む。いわゆる「コミュニティアート(共同体美術)」だ。最も脚光を浴びている事例のうちの一つが、日本の香川県にある直島だ。それで行ってきた。直島と近隣の島々が一つになって3年ごとに開催している瀬戸内国際芸術祭のこれまでと今の姿を探った。

壁を探りながらやっと入って座った。私の手も見えない、なかなか体験し難い完ぺきな闇だ。少し待つと、おぼろげに見え始めた。このように絶望的な闇の中でも時間が経てば光を把握することができる。人間の目は、そのように一筋の光だけでも見ることができる潜在力を有している。

◆人口減で衰退…芸術島プロジェクト提案


「光の魔術師」と呼ばれる米国作家ジェームズ・タレル氏の『Backside of the Moon』だ。直島の古い村寺の跡地にある。作品は建築家・安藤忠雄氏がつくった断層木造建物の南寺の中に設置されている。

南寺で確認できるのは人間の目の潜在力だけではない。衰退した村で捨てられた寺の跡地も、このような意味のある芸術品になれるということを、さらには直島が芸術の島に変貌できたこと、そしてまた早くからその潜在力に注視した彼らのおかげだということを見せてくれる。

直島は瀬戸内海の数多くの島の中の一つだ。小さい無人島まで合わせれば数千個の島で構成されたところだ。直島には製造業・漁業に従事する1500世帯余りが暮らしている。1960年代には約7800人だった島住民は現在約3200人に過ぎない。

変化の風を呼び込んだ最初の人物は三宅親連(1909~99)氏、36年間直島町の町長を務めた。彼はこの一帯を「美しく、元気で、安らかな情景」に変えるというビジョンを持っていた。

これを「芸術島」という具体的成果に導いたのはこの地域出身の事業家・福武總一郎ベネッセホールディングス取締役会長(68)だ。直島に子供国際キャンプ場(89年完工)をつくろうと、安藤忠雄氏と手を握った。「良いところというのは、老人が笑いながら暮らせる場所。人生の達人であり私たちの未来である老人の顔に笑顔を取り戻そう」というのが福武会長のモットーだ。2人は直島にベネットセ・ハウスミュージアム(1992)と地中美術館(2004)、李禹煥(イ・ウファン)美術館(2010)などをつくった。村の廃家に芸術を取り入れる「家プロジェクト」(1997~)も展開した。直島のこうしたランドマークは、自らさらけ出すことのない特徴を持っている。



共同体生かす美術…コミュニティアートの勝利、香川県直島(2)

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