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【社説】金剛山よりも離散家族が先だ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮が昨日、離散家族対面のための南北赤十字実務会談の提案を受け入れた。朴槿恵(パク・クネ)大統領が8月15日の慶祝辞で、秋夕(チュソク、旧盆)に合わせた離散家族の対面を提案し、続いて韓国統一部が赤十字実務接触の23日開催案を提示してから2日後、北朝鮮がすみやかに呼応の返事をしてきたのだ。これとは別に金剛山(クムガンサン)観光再開のための実務会談の開催も提案した。韓国と北朝鮮当局が開城(ケソン)工業団地正常化に劇的に合意したことを契機に、南北関係が急流に乗る雰囲気だ。

金剛山観光の再開も重要だが、さらに急を要しているのは離散家族の対面だ。離散家族対面は政治とは関係のない人道主義的事案だ。それでも南北関係が閉塞状況に陥る中、離散家族の対面は中断して3年目になる。

離散家族の情報統合システムに登録されている南側の離散家族対面申請者だけでも約7万3000人だ。その中のほぼ半数が80代以上だ。この人たちが感じている挫折感と怒りを韓国と北朝鮮当局は冷遇してはいけない。秋夕(チュソク、9月19日)に合わせて対面行事を進めるには時間があまり残っていない。実務レベルの早急な合意が必要と思われる。


朴槿恵政権は南北関係で「非正常の正常化」を強調している。開城工業団地の発展的な正常化と国際化もその一環だと評価されている。この機会に離散家族の対面も正常化させる必要がある。政治的状況と別に、常時的・持続的に対面が成り立つように多様な方法を動員しなければならない。この点で、北側が秋夕の対面とは別に画像対面を提案したことは肯定的だ。離散家族が金剛山の面会所で直接会うのも重要だが、1回だけの行事では意味がない。ソウルや地方に設置された赤十字画像対面センターを通じて持続的に顔を向き合って安否を尋ねることができれば、離散家族の苦痛を緩和するのに多いに役立つだろう。

韓国政府が、赤十字実務会談の場所として板門店(パンムンジョム)を提案したことについて昨日、北側は金剛山を提案した。また赤十字会談の1日前に金剛山観光の再開のための実務会談を先に開こうと提案した。2008年の観光客パク・ワンジャ氏襲撃事件以後、懸案として残っている再発防止・身辺安全、金剛山観光施設財産の問題などを包括的に協議して解決できるという意向も明らかにした。北朝鮮の関心は離散家族対面よりも金剛山観光再開にあるのではないかとの疑念を抱くのも事実だ。

韓国と北朝鮮が一歩ずつ譲歩して開城工業団地の正常化問題を解決したように、双方が気持ちを合わせれば金剛山観光の再開問題も解決できないはずはないと思われる。しかしこの問題は、韓国哨戒艦「天安」事件で対北朝鮮交流を中断した「5・24措置」とも関連した問題だ。だからこそいったんは、今のところ緊急な離散家族の対面問題に焦点を合わせることが順序だ。開城工業団地が南北間の合意のとおり正常な再稼働手順を踏んで、離散家族の対面行事まで支障なく実現するならば、金剛山観光の再開の道も近く開かれるだろう。そうなれば南北関係が上昇局面を迎えつつ朴槿恵政権の韓半島信頼プロセスも本格的に弾みをつけることになるだろう。



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