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【コラム】南北関係の新しい時代が開けた(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国と北朝鮮が開城(ケソン)工業団地正常化に合意した翌日が光復節だったのは偶然の一致だが、私たちにとって幸いだった。朴槿恵(パク・クネ)大統領は、平壌(ピョンヤン)の人々も注意深く見守る光復節の演説に、前日の韓国と北朝鮮の合意を受け継いで南北関係改善の新しい時代を開く核心的な内容を盛り込むことができた。表面的には非武装地帯(DMZ)に平和公園をつくろうと北朝鮮に向けて直接提案したことと、秋夕(チュソク、旧盆)に離散家族が会うようにしようと促したこと、そしてより広く遠くには信頼のプロセスを本格的に推進する意志を明らかにしたことが目につく。このような提案すべてが実現可能ではあるが、韓国と北朝鮮の平和共存と共同繁栄のためには画期的なことだ。

しかし朴大統領の演説を注意深く聞いた者が思わずはっとしたのは、信頼の重要性を強調した一節だ。彼女は話した。「平和を守るには抑止力が必要だが、平和をつくるのは相互信頼が積み重なってこそ可能です」。これは対北朝鮮政策で抑止力と信頼のバランスが必要だという言葉だが、積極的に解釈すれば対北朝鮮政策・戦略を安保モードから対話モードに切り替えるという意味となる。これは平和を守る時代から平和をつくる時代に進化したという状況認識を反映している。朴槿恵政権はスタート以来ずっと北朝鮮の挑発やごり押しに対北朝鮮戦略の焦点を合わせてきた。李明博(イ・ミョンバク)政権から北朝鮮の崖っぷち威嚇を受け継いだ新政権にとって、それは避けられない選択だった。その結果、軍人出身の安保室長と国家情報院長の発言権がいびつに肥大化し、その前で統一部と外交部と外交ライン参謀の存在は萎縮した。

北朝鮮の絶え間ない挑発威嚇に常にさらされている韓国にとって、硬い軍事的な抑止力は必須だ。抑止力が私たちの総体的な安保の出発ラインだ。しかし抑止力は韓国の安保の必要条件であるだけで充分条件ではない。対外的には外交がなければならず、南北関係では対話があってこそ平和と安保の必要充分条件がそろう。南北関係では抑止力も重要だが、信頼度も重要だという朴大統領の話は、このような洞察から出たことであり本当に鼓舞的だ。


対話が、信頼のアルファでありオメガだ。信頼のプロセスは安保派と対話派のバランスの上でのみ効果的に推進されるはずだ。開城工業団地正常化の合意は南北関係が本来の位置に戻る長い旅路の重要な第一歩だ。南も北も最初から開城工業団地をたたむつもりはなかった。その一方で韓国と北朝鮮がここまで押し寄せたことは相手を信じることができない信頼の不在のせいだ。これを是正しようというのが、信頼のプロセスだ。



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